あなたの知らない札幌《JR展望室》後編 こだわり音楽でリラックス空間演出
【北海道・札幌】人口200万人の声も聞こえる北の大都市・札幌。その札幌には、多くの観光地や名物施設があります。とはいえ、札幌市民ですらそれらのすべてを知っているわけではありません。そこで不定期連載として「あなたの知らない札幌」と題した企画をスタート。第5回後編は、札幌市民でも知る人が少ないJRタワー展望室「T38」(タワースリーエイト)の秘密をスタッフに伺いました。(構成/橋場了吾)
「惑星音楽」や夜景を邪魔しない照明
T38は、札幌市内を160mの高さから360度のパノラマで眺められることが一番の特徴ですので、その特徴を最大に生かした工夫がいくつもあります。 まずBGMなのですが、「惑星音階」という太陽系の惑星の動きに応じて固有の音程が割り当てられた音階で作られたリラックス音楽を、時間によって流し分けています。受付のある6階、エレベーター、T38のある38階でBGMも変え、音によるトータルコーディネートを行っています。 また、エレベーターの照明も階が上がるにつれ少しずつ暗くなるようになっていて、T38も外の光の加減で照明の強弱が変わります。ガラスに反射しないような光の強さにすることで、お客さんにとって一番見やすい環境にしています。 通路を挟んで、ガラス側とは逆の面にはパネル展示をしているのですが、パネルに直接照明を当ててしまうとガラスにライトが写ってしまうので、一度ガラス上部の柱に反射させてからパネルに光が届くような工夫も。特に夜は照明が強すぎるとせっかくの夜景が台無しになってしまうので、このような工夫で夜景を楽しんでもらっています。
地上160mで読書や大人の時間を楽しむ
受付で一番多い質問は「展望室には飲食ができる場所があるのか」ということです。札幌市の中心部が見渡せる南側に「T-CAFE」という飲食店を用意しています。 この「T-CAFE」、昼間はランチも提供しているカフェで、夜はバーになります。カフェでは手作りスイーツなどを、夜はこだわりのワインなどを楽しめるので、知る人ぞ知るリラックススペースとなっています。地上160mからの景色を眺めながらグラスを傾けられるのは、北海道でここだけです。 また、T38には3つのトイレがありそのうち2つが眺望化粧室となっています。特に男性用化粧室の開放感はここならではですので、男性の方は是非体験してみてください。 そして毎月第2・4金曜日には「そらのコンサート」というクラシックやジャズなどを楽しめるイベントを、これまでに300回以上行っています。イベントでは、最も入場者数が多くなる年末のカウントダウンイベントや午前7時頃の初日の出を拝むイベントなど、地元の方々が参加しやすいものも多く開催しています。 何といっても、私たちの一番の願いは160mから札幌市内・北海道内にお客さまの想いを届けてもらうことです。そのモチーフとして、色々な場所にたんぽぽのアートを配しています。これは、「たんぽぽの綿毛のようにお客さまの想いが色々な場所に届きますように」という思いを込めたものです。 これからも、T38は「いつも変わらない」リラックス空間を作り続けていくつもりです。