今永昇太、メッツ相手の2度目の登板で10失点で2敗目「これを苦しみと思わずに取り組んでいきたい」
◆米大リーグ カブス1―11メッツ(21日、米イリノイ州シカゴ=リグレーフィールド) 【動画】3本目の本塁打を被弾…今永は「まさか」の表情 カブスの今永昇太投手が21日(日本時間22日)、本拠のメッツ戦に先発し、3回0/3の自己最短KOで、今季2敗目を喫した。初回にマルティネスに先制3ランを許すなど渡米後ワーストの1試合3被本塁打。今季14試合目の登板で、初めて2度目の対戦となったメッツ打線に11安打&10失点ともに、自己ワーストで防御率は2・96になった。カブスの鈴木誠也外野手は「2番・右翼」で先発、2打数無安打で打率は2割6分4厘。 2巡目の試練が、ルーキーを襲った。ここまで13試合で防御率1・89と無双してきた今永。この日は、初めてカード別で複数登板となるメッツ戦。5月1日の初対戦は、7回3安打無失点と圧倒したが、約1か月半後の再戦は、様子が一転した。 初回にマルティネスに中越えの9号先制3ランを浴びたのを口火に、2回には先頭のアルバレスにソロ、ニモにダメ押し2ランと、渡米後ワーストの1試合3被弾。4回は3巡目の上位打線に1死も奪えず、8点目を失い、なおも無死一、二塁とピンチを招いて降板。2番手ウェスネスキも打ち込まれ、自責点は10に。防御率は2・96と一気に悪化した。 許した本塁打はいずれも直球。左打者ニモが外角の直球を逆方向に運んだアーチに象徴されるように、メッツ打線は、今永の代名詞でもある直球を狙っていた。この日は直球、スプリットの平均速度が、普段より約1マイル遅かった今永。2巡目以降、カーブやスイーパーで活路を見出そうとしたが、ままならず、無念KOとなった。 「僕というピッチャーから、真っ直ぐを弾くのは当たり前。僕の中では、それを分かっていても(直球を)投げて前に飛ばさせて、ヒットか、ポップフライかというところで勝負している。悪いボールではなかったが、きょうは少しカット気味になり、高めを目掛けたボールが低めに行った。あれを本塁打ではなくツーベース、シングルにする技術が必要だと思います」 6月9日のレッズ戦から、クオリティー重視のために、序盤は出力を抑え気味に入る作戦も、裏目に。「エンジンがかかる前に打たれた。相手もそこを見ているんだなと思った」と、改めて、メジャーの修正力と適応力に舌を巻いた。「対戦が増えていくほど、手の内を全て解っているスイングをしてくる。シーズンの序盤にこういう体験が出来たので、これをシーズンの後半に生かしていきたい。精神的に苦しいし、きつい部分はありますが、こういう体験を望んでいたはずなので、これを苦しみと思わずに取り組んでいきたい」と、今永は、逆風も、むしろ“想定内”と捉えた。 〇…カブスの鈴木誠也は、2打数ノーヒットで今永を援護できなかった。3回の第2打席に左背中のベルト上部分に死球を受けたが、フル出場した。相手先発左腕キンタナの初球、92マイルの直球が、身をひるがえして避けた鈴木の背中に、ズドン。鈴木は両手を膝に付いて苦しそうな表情を浮かべたが、そのまま一塁へ。続くベリンジャーの右中間二塁打では、トップスピードではなかったが、三塁へ進塁。第4打席は四球を選んだ。今月8日のレッズ戦では二盗を試みた際に、捕手の送球を、同じような場所に受けており、左脇腹付近の災難が続いている。
報知新聞社