友杉篤輝や近藤遼一がいなくても…… 全日本大学野球選手権出場の天理大・下林源太主将「積極的に仕掛けて点を取れる」
阪神大学野球春季リーグ戦の5節目。天理大学は関西国際大学に2-4で敗れた後、球場の外に選手たちを集めた主将の下林源太(4年、天理)が、輪の中心に立って語りかける場面があった。 【写真】天理時代、2020年夏の甲子園交流試合でプレーする下林 「この春のリーグ戦はコールド勝ちや点差が離れた試合が多くて、劣勢に立たされた試合があまりなかったんです。リードされて、終盤で思うように点が取れなくなった時に、慌ててミスが出てしまう。そういう時こそ落ち着いて、自分たちがやるべきことを信じてやるべきだと思いました。ちょっとした隙があったのかもしれないですが、1球の重みをもう一度感じないといけない」
今年は飛び抜けた選手がいなくても
7季連続26回目のリーグ優勝を決めた直後の一戦だったこともあり、チーム内に多少の気の緩みがあったのかもしれない。今季2敗目となった一戦を終え、主将は時に語気を強めながらチームメートに必死に訴えていた。 天理大は、2014年から指揮を執ってきた藤原忠理(ただまさ)監督の天理高校野球部監督就任に伴い、昨季までヘッドコーチとしてチームを支えてきた三幣(みぬさ)寛志氏が今シーズンから監督に就任した。下林によると、監督が代わっても「大きな変化はなかった」という。これまで藤原監督が築き上げてきたものを引き継ぎながら、チームはスタートした。 ただ今年は、一昨年に上位打線を引っ張った友杉篤輝(現・千葉ロッテマリーンズ)、昨年は主に中軸を担った近藤遼一(現・Honda鈴鹿)のような絶対的な打者がいるわけではない。チーム状況を冷静に受け止めながら、下林は今季のチームの戦い方をこう明かした。 「飛び抜けた選手はいなくても、今年は足があるバッターが多いので、そういうバッターが塁に出ればノーアウトから積極的に仕掛けて点を取れていると思います。去年の近藤さんのような『一発が打てる選手』はいませんが、エンドランを仕掛けて進塁することを意識して、点を取れていたと思います」 自身も開幕戦から「5番サード」で全8試合にスタメン出場。3割2分1厘の打率を残し、ベストナインにも選ばれた。ただ本人は「自分の調子は、ボチボチです」と控えめだ。「自分の前の3、4番の調子が良かったので、つながってきたチャンスを何とかモノにしようと打席に立ってきただけです」