津田健次郎が能楽の舞台に “能×声優”という異色のコラボ『夜能』を取材
■“能×声優”の原点とは 宝生和英「高校時代によく聴いていて」
どのようなきっかけで“声優×能”という組み合わせで企画をスタートさせたのか、『夜能』の主催者であり、宝生流二十世宗家の宝生和英さん(38)に理由を聞くと、「私の使命としては、能楽を皆さんに知っていただくという部分もあると思うんですが、日本の古典の物語も知られてなくなっていくことに危機感があって」と現代の古典離れの現状を語りました。 そして「ただ伝えるのではなく、能楽ならではの演出のエッセンスを加えた一人語りと一緒に楽しんでいただきたいという思いで始めさせていただいた」と説明しました。 さらに、“能×声優”という組み合わせには原点があるそうで、「原点が、ドラマCDだったんですね。私が高校時代にドラマCDをよく聴いていて。自分の中でキャラクターが自由に動いている、想像をブーストさせてくれるっていうところで、(声優と能の)相性がいいという確信があった」と自身の経験が原点であることを明かしました。
■今回で3回目の出演 津田さんの『夜能』への思い
今回で3回目の出演となる津田さん。『道成寺』の演目について「ここまで女性を演じるという機会がそこまでなかったので、すごく新鮮でしたね。とてもエモーショナルな作品だったのでひときわ面白かったと思っています」と振り返りました。 そして、『夜能』の企画については「『夜能』自体は初回からすごく面白い企画だなと思っていて。物語、言葉がなんとなくわかった上で見るという。一気に能楽を見るハードルが下がるので。すごく見やすいんじゃないかな」と企画の面白さを語りました。 また、『夜能』をきっかけに能を見に来る人が増えることについては「何よりも、来ていただいて能楽に初めて触れるというのがすごくうれしいです」と自身の活動が新しい体験のきっかけになっている喜びを明かしました。 最後に「能楽が放つ波動だったりとか、空気感で“眠くなるのはOKです”と宗家(宝生和英さん)がおっしゃってくださっているので(笑)。ふわ~っとなる感じも含めて、気負わずに興味をもっていただけたら」とメッセージを送りました。