埼玉HO堀江翔太の本拠地ラストマッチに1万700人 ゲーム主将として追加点を演出/リーグワン
リーグワン1部第15節第1日(27日、熊谷ほか)6試合が行われ、1位でのプレーオフ(PO)進出を決めている埼玉が花園に33-24で勝ち15戦全勝とした。今季限りでの現役引退を表明しているHO堀江翔太(38)は本拠地ラストマッチで先発し、勝利を呼び込むトライを演出した。BL東京が3位の東京SGに36―27で勝ち、レギュラーシーズン2位を確定。4位の横浜はトヨタに31―35で逆転負け。10位のBR東京は2部との入れ替え戦に回ることが決まった。 埼玉の千両役者が1万700人のファンを魅了した。途中から出場して流れを変えられることから「ラスボス」の異名を取るHO堀江が、今季7戦ぶり2度目の先発。ゲーム主将も担って追加点を演出し、白星に胸をなで下した。 「ホーム最終戦。勝ててほっとしている」。12位に沈む花園に対し、ドレッドヘアを揺らして防御裏を狙うキックパスで揺さぶり、自陣まで戻ってタックルを見舞い、攻撃の芽を摘んだ。7-5で折り返した後半。相手を突き放したのは堀江のプレーからだった。 1トライを加え、敵陣深くでのラインアウト。堀江が正確なボールを投げ入れると、埼玉のフィフティーンはギアを上げた。15回もの連続攻撃から19分にLOハアンガナがトライを決めた。堀江が退いた21分から反撃を許して一時は4点差に追い上げられたが、底力で逃げ切った。 今季限りで現役を引退する堀江にとって、ホーム熊谷での試合はこの日が最後。スタンドではファンが名前入りのタオルを掲げて別れを惜しんだ。「(試合中から)僕の名前を呼んでくれたり、(グッズが)目に入ったりしていた」。日本選手権なども含めてチーム公式戦出場200試合にも到達し、試合後のセレモニーでチームメートは堀江の顔がプリントされた記念Tシャツを着て祝福した。 埼玉は1位でのPO進出が決まっている。5月26日の決勝(国立競技場)まで勝ち進んでも、堀江の雄姿が見られるのはあと3試合。「成長をやめずに最後までやり切りたい」。昨季は決勝で敗れただけに、「王座奪還」をかなえるまで歩みは止めない。(石井文敏) ★堀江を世界戦に招集へ 埼玉のディーンズ監督が6月22日にロンドン郊外のトゥイッケナム競技場で開催される世界戦に堀江を招集する意向を明かした。ディーンズ監督は世界各国の一流選手を招待して編成する「バーバリアンズ」を指揮するといい、長年活躍した堀江への「ご褒美」と表現。堀江は「(出場は)5分でいいと伝えている。(PO決勝の)国立が最後やと思っている」と話した。