健康コスパの高い「白湯はからだに良いから」が意外な落とし穴に…逆にダメージになる「やって損する」3つの行為
中国5000年の歴史に基づく「中医学」という壮大なエビデンスのもと、これまでのべ3万人以上のからだを診てきた、北京中医薬大学医学博士で、日本ホリスティックメディカルビューティー協会理事長を務める、美容健康サロン「BHY」代表取締役・尹生花氏。 【図解】尹先生が教える…不眠、イライラ、疲れを軽減する「ツボ」の場所 「生活習慣だけではなく“内臓を鍛える”習慣」として、東洋医学の智慧「臓活」を生活に取り入れることを提唱する同氏の最新刊『臓活習慣 こころとからだを巡らせる!』(ワニブックス刊)より一部を抜粋・編集し、本稿では、健康習慣のひとつとして流行っている「白湯」の誤った飲み方で起こる“危険性”と、その正しい飲み方について、中医学博士が徹底解説します。
朝の「白湯」を習慣化するメリット
季節を問わず、取り入れていただきたい臓活習慣の一つが、白湯。寝起きの水分補給として、白湯を飲むことをおすすめします。 白湯は、「胃」をやさしく動かすだけでなく、じつは、酸素の吸収にもいいことをご存じでしょうか。わたしたちのからだは、水と融合することで、はじめて酸素を取り込むことができるのです。 わたしが長年からだを診ているある女性は、実生活でもすっかり臓活を習慣化されて、健康そのものです。彼女は朝、起床するとすぐに窓を開けて空気を入れ替え、深呼吸し、その後ゆったりと白湯を飲むのだそう。 臓活の観点から見ても、すばらしい習慣だと感心させられます。彼女のからだには、必要な水分と酸素が、朝からしっかりと取り入れられ、気が巡っていることでしょう。 なお、白湯を習慣化するといっても、気負う必要はありません。わたしは朝、50~100mlほどの白湯を飲んでいますが、50mlほど飲めば充分です。 ちなみに、朝の5時から7時は、「大腸」がもっとも働く時間帯です。できればこの時間帯に白湯を飲み、排便を促しましょう。
熱すぎると「食道がん」につながる恐れも
さて、白湯を習慣化するにあたって、ぜひ、押さえておいていただきたいポイントがいくつかあります。 一つ目は、先ほどもご紹介した通り、多く飲む必要はないということ。50mlほどでいいでしょう。なかには極端な人がいらして、「白湯はからだに良いから」とマグカップに何杯も飲んでいた結果、水分の摂り過ぎでむくみがひどくなってしまったのだとか。これでは臓活になりません。 もちろん、体質によっては、多く飲んでも大丈夫な方もいるのですが、むくみやすい体質の場合は摂り過ぎないよう気をつけましょう。 二つ目は、熱過ぎる状態で飲まないということ。熱過ぎるお湯は、のどや食道にとって強過ぎる刺激となり、くりかえし刺激することで、食道がんにつながる恐れもあります。くれぐれも気をつけてください。基本的には、50℃以下になるまで冷ましてから飲むようにしましょう。 三つ目は、面倒だと思ったら無理をしないこと。もし時間があれば、一度しっかり沸騰させてから冷ましたものを飲むのがより良いのですが、こだわり過ぎてつづかないと意味がありません。 電気ポットでもウォーターサーバーのお湯でもいいですし、無理なくつづけられるのが一番です。 1、体質に合わせて多く飲み過ぎない 2、しっかり冷ます 3、面倒なら無理をしない 上記のポイントしっかりを押さえた上で、ぜひ、ご自身のつづけやすいやり方で「朝の白湯」を習慣化してもらえればと思います。 白湯をはじめとする小さな臓活習慣が五臓のバランスをととのえ、からだ中に気を巡らせる――。こうした、まいにちの小さな習慣こそが、健康面で不安定になりがちな時代を生き抜くための術となると言っても、過言ではありません。 …つづく<いつもの食事と食材選び、じつは《健康コスパ》が上がる「超かんたんな方法」があった>では、秋と冬に摂ると健康効率があがる食材選びの方法をお伝えしています。
尹 生花(中医学博士)