井岡一翔、七夕統一戦 世界戦22勝でも唯一手にしていないIBF王座へ「KOできたら」
◆プロボクシング WBA、IBF世界スーパーフライ級(50・8キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・井岡一翔―IBF王者フェルナンド・マルティネス(7月7日、東京・両国国技館) 志成ジムは22日、都内でWBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔とIBF同級王者フェルナンド・マルティネスが7月7日に、東京・両国国技館で2団体王座統一戦を行うと発表した。都内で会見した井岡は日本人最多の世界戦22勝を挙げているが、主要4団体では唯一手にしていないIBFのベルト奪取を狙う。勝てば、自身が対戦を熱望するファン・フランシスコ・エストラーダ(34)=メキシコ=との3団体統一戦も見えてくる。 言葉に自信がみなぎった。無敗のマルティネスとの七夕統一戦が決まり、井岡は壇上で「彼が得意とする距離で打ち勝って、最終的にはKOができたら」とIBF王者との接近戦でKO勝利を堂々と宣言した。 11年に初の世界戦でWBCミニマム級王座を獲得してから、19年には日本男子初の4階級制覇を成し遂げた。その間にWBA、WBOのタイトルも手にしてきたが、赤いIBFのベルトはいまだ獲得していない。14年5月のIBF世界フライ級タイトルマッチではアムナト・ルエンロエン(タイ)に判定負けしているだけに、「いちボクサーとして取りたい気持ちが強い」と闘志に火がついた。 統一戦はWBO世界スーパーフライ級王者だった22年12月にWBA王者のジョシュア・フランコ(米国)と戦って以来だ。この試合は引き分けて王座統一ならず。今回勝てば、12年にWBA、WBC世界ミニマム級王座統一戦で八重樫東(大橋)に判定勝ちして以来の2階級目の2団体統一となる。「統一戦というのは特別な試合。今回はベルトを2本取りたいと思う」と意気込む。 マルティネスを退けると、次戦はWBA暫定王者のダビド・ヒメネス(32)=コスタリカ=との団体内王座統一戦が濃厚だ。そして、その先は「エストラーダ選手と3団体統一戦ができたらいい」と思い描いた。対戦を熱望してきたWBC王者エストラーダが、6月のジェシー・ロドリゲス(24)=米国=戦に勝てば、将来的に3つのベルトを懸けて戦う可能性も見えてくる。 井岡は「興味がある選手と戦いたい」と願う。まずはマルティネス戦に全力を尽くす。七夕決戦が待ちきれない。(戸田 幸治) ◆井岡に聞く ―初対面のマルティネスの印象は。 「今のところ特にないですが、日本に来てくれたことに感謝します」 ―ボクシングの印象は。 「スタイルとしてはファイター。距離が近い接近戦が強いという印象があります」 ―統一戦後、日本人初の5階級制覇に挑むのか。 「思い浮かべることはありますけど、5階級というのは、よりまだ先のことだと思う」 ―今後もスーパーフライ級で戦うのか。 「この階級で戦いたい相手と戦って、(力を)証明できてから次のこと(5階級制覇挑戦)だと思う」 ―今後の練習日程は。 「来月から米ラスベガスでのキャンプに行こうと予定を立てています」 ―ファンに一言。 「見ている人たちが熱くなれる試合をして、WBA、IBFのベルトを統一する姿を見せたいと思います」
報知新聞社