「お米の消費が増えている」は本当? いつどこで…消費者アンケート結果
値上げに抵抗感
一方、米の値上げについては20%が「許容できない」とした。「5%高まで」が21%(116人)、「10%高まで」が31%(172人)となり、計72%が1割超の値上げは受け入れられないとしている。 消費者が将来も安定的に米を購入できるよう、持続可能な稲作を実現する必要がある。そのためには、農家が再生産や将来への投資ができるような水準まで米価を向上させる必要がある。米の注目度が高まっている今こそ、「消費者理解の増進に向けた情報発信が重要」(産地関係者)となっている。
<取材後記>
消費者の米離れが叫ばれ続けてきた中で、1人当たりの消費量が下げ止まったどころか、増加に転じた可能性も出てきた。米業界にとっては朗報と思われ、記者個人としてもうれしい結果となった。 一方、産地の課題は山積みだ。高止まりする生産コストの価格転嫁は道半ばで、現状の米価は長期的に再生産が可能な水準とは言いにくい。後継者不足が深刻化する中、主産県のJA関係者は「とてもじゃないが、若い世代に稲作経営を継いでくれとは言えない」とこぼす。 米の注目度が高まっている今こそ、生産・流通・消費の三方良しの将来像を改めて描くべきだと感じた。(鈴木雄太)
日本農業新聞