災害列島日本で生き延びるための、“やどかりプラン”とは…!?
2013年3月に名古屋大学を退官した後も、精力的に活動する溝口氏。今年4月に出版された『古地図で楽しむなごや今昔』(風媒社)が好評で講座を任される機会や、客員教授として歴史地理学の授業ももっている。相変わらず講義のラスト10~15分間は、やどかりプランについてのミニ講義。2011年から長らく続けているためか、賛同者も増えてきた。今後は、東北三陸沖のごく小さな集落も、聞き取り調査をしながら回ろうと思っている。 「なぜ続けるのか」と溝口氏に問えば、「自分は地理学者だから」と答えるだろうか。でももうひとつの答えは聞かなくてもわかる。それはきっと、「生き残ったから」だ。 溝口氏のプランを実現するためのハードルは高いかもしれない。しかし、犠牲者の声を注意深く聞くことは、生き残った私たちにしかできないのだ。また必ず襲来する大災害のときに「想定外」で片づけないために何をすべきか。「やどかりプラン」は、問いかける。 (編集プロダクションエディマート 大塚亜依)