U―23内野航太郎 決定力の秘密はプレミア得点王の「動画を反転して右利きにしてイメージしてる」
◇JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦 1部◇第1節 筑波大3(2―0、1―0)0関東学院大(6日・味の素フィールド西が丘、1707人) U23日本代表 パリ五輪への道 男子サッカーのパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23アジア杯に臨むU―23日本代表に選出された筑波大FW内野航太郎(19、2年)が6日、関東大学1部リーグ開幕戦・関東学院戦で今季初ゴールを挙げた。憧れるノルウェー代表FWハーランド(マンチェスターC)のような決定力を見せつけた。チーム最年少19歳で、唯一の大学生として臨む五輪予選。「出た試合で必ずゴールを取る」と力強く宣言した。 桜が舞う味の素フィールド西が丘で、FW内野がいきなり魅せた。開始12分、左クロスを利き足と逆の左足ダイレクトでゴール右へ決めて先制。人気漫画「進撃の巨人」に登場する右拳を胸に当てるパフォーマンスで喜んだ。「いい形でカタールに乗り込める。アジア杯でも(ポーズを)見せつけたい」と笑顔がはじけた。 4日のメンバー選出は練習後、チームメートの前で小井土正亮監督(45)に告げられ「ビックリした」と明かす。続けて「新学期だから欠席届をちゃんと出せよ」と言われ、週15コマほどの欠席手続きを終え、この日夜にドーハへ出発した。 悔しさを糧に技術を磨いてきた。横浜Mユース時代の22年にプレミアリーグEASTで得点王に輝いたが、トップ昇格はならなかった。筑波大からプロ入り、J1川崎を経て、海外へ飛躍したMF三笘薫(ブライトン)から「すごく影響を受けた」と同校を選び、1年目からリーグ13戦9得点と量産。パリ五輪切符をかけた最後の戦いに、大岩剛監督(51)から声がかかった。 筑波大のテクニカルアドバイザーで、元Jリーガーの中西哲生氏らから指導を受け、「点を取るバリエーションが増えた」と手応えを口にする。昨季プレミアリーグの得点王で、今季もトップを走るハーランドのプレーを参考にするが、自身と逆の左利き。「動画を反転してハーランドを右利きにしてイメージしてる。目指すところですね」。武術家・高岡英夫氏の著書「究極の身体」を愛読するなど、体の使い方の研究は尽きない。 185センチの大型FWは背後への動き出し、決定力が武器。「サプライズ選出でも、ラッキーボーイだろうと何でもいい。チームを自分が勝たせられるように、出た試合で必ずゴールを取れるように頑張る」。大岩ジャパンの切り札になる。(星野 浩司) 大岩監督「状態良さそう」 サッカーU―23日本代表・大岩剛監督が6日、アジア杯開催地のカタールへ出国前に成田空港で取材対応。サプライズ選出した19歳のFW内野がリーグ開幕戦で得点を決めたことに「映像も見ました。コンディションは良さそうなので、向こうに行って力が発揮できるような状態にしてあげたい」と期待した。また、この日カタールへ移動予定だったDF半田は、急性胃腸炎のためリーグ戦の札幌戦を欠場。7日に出発する見通しとなった。 ◆内野 航太郎(うちの・こうたろう)2004年6月19日、神奈川県生まれ。19歳。横浜Mジュニアユースを経て、同ユースでは高3時の22年に高校年代最高峰リーグのプレミアリーグEASTで得点ランク1位の21得点を記録。23年から筑波大に進学。同年にU―22日本代表としてアジア大会、米国遠征に招集。185センチ、79キロ。右利き。家族は両親と弟。趣味は読書。
報知新聞社