数年に1度の“ブリチャンス” 小田原でブリ豊漁 飲食店は盛況、食卓にも恩恵
日テレNEWS NNN
神奈川県の小田原漁港でいま、活きのいいブリが数年に一度の豊漁となっています。仕入れ値も安くなっていることから、周辺の飲食店でも盛り上がりを見せています。
神奈川県小田原市の海鮮が売りの飲食店「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー!!」。サーモンやマグロなど30品ほどが並ぶなか、4月9日の“イチオシ”は、脂がのった「ブリの刺身」でした。 記者 「うわ、肉厚ですねぇ」 さらに「煮付け」や「照り焼き」などなど、“ブリづくし”のラインナップでした。 料理長 福島敦さん 「ブリ全部食べ放題なんです」 食べ放題スタイルで提供しています。(食べ放題:大人3300円、小学生 1760円)
2週間ほど前からメニューに加わったブリ。きっかけは… 料理長 福島敦さん 「ブリがこんなにとれる事は近年なかったので、今年は大チャンスです」 小田原でブリが“豊漁”だというのです。
水揚げされるのは、目の前に相模湾が広がる小田原漁港。岸から2~3キロの定置網で漁をしています。 記者 「大漁ですね! ブリが大漁です!」 箱いっぱいのピッチピチのブリ。約2000本が水揚げされました。
小田原に“春を告げるブリ”に目を輝かせるのは、仲買人たちです。実はいま、数年に1度という“ブリチャンス”が巡ってきているのです。 小田原市経済部・水産海浜課長 内田充俊さん 「ここ2~3年に比べると今年は豊漁で、4年ぶりに結構大量にとれている」 ――どうですか、お気持ちは?
小田原市経済部・水産海浜課長 内田充俊さん 「高ぶりますね。うれしいです」 “豊漁”に、市の担当者も饒舌(じょうぜつ)でした。 小田原漁港によると、例年、1日の水揚げ量は多くても約500本。それが4月2日は10倍となる約5000本でした。連日1000本単位で水揚げされているといいます。 小田原市経済部・水産海浜課長 内田充俊さん 「大量にとれているので、やはり魚価の方も少し安くなりますので、消費者のみなさんにも安くお届けできるんじゃないかと」 昔は小田原を代表する魚だった「ブリ」。最盛期は1950年代でした。昔を知る漁協の組合長は… 小田原市漁協 高橋征人組合長 「昭和20年代(1950年ごろ)の後半は一網で2万本」 1日に2万本とれたこともあったといい、漁師は“ブリで家が建つ”ほどだったといいます。 ◇ なぜ今年、相模湾でブリが“豊漁”なのでしょうか? 専門家は… 北海道大学水産科学研究院 山村織生准教授 「ちょっと想像でしかものが言えないんですけど、エサとなるような魚がたくさんいたということで、それを追ってやってきたというのが、一つ理由として考えられる」 そもそも太平洋側にも生息するブリ。何らかの理由で相模湾内にブリのエサとなるイワシなどが豊富な状況となり、小田原漁港付近まで入りこんだ可能性があるといいます。