櫻坂46・大園玲が明日に誓うこと 舞台初出演を前に秘めた思いを語る
「独特」──この言葉への印象は人それぞれだ。ポジティブに受けとる者、そうじゃない者。そして生きていく中でその意識が変わる者。櫻坂46の大園玲も、「独特」の捉え方が変化した一人だと言う。 飛躍を続けるアイドルグループ・櫻坂46の二期生として活動する彼女は、10月6日まで上演されたホームコメディ『幽霊でもよかけん、会いたかとよ』で初めて舞台作品に挑んだ。金沢知樹が脚本と演出を手がける本作は、2016年に初演、2023年にはゴリけんやパラシュート部隊ら九州で活躍するメンバーが立ち上げた劇団「わくわくロケット」により長崎・福岡で再演。今回大園は同劇団の初東京公演のゲストとして、元女優の女医・愛子を演じた。 本番直前のインタビューで明かしてくれたのは演技のこと、日々のこと、自分自身のこと。記念すべき初舞台を目の前にしたこのときだけの大園玲を、ほんの少しここに記録することができた。 【撮り下ろし写真多数】初舞台の本番前に女医姿でインタビューに臨む櫻坂46の大園玲
自分のシーンを育てていくのが楽しかった
──これまで「サクラミーツ」のイベントでコントに出られたことはありましたが、演劇作品としては今回の『幽霊でもよかけん、会いたかとよ』が初舞台です。出演が決まったときはどんな気持ちでしたか? 皆さんがやられてきた作品の中に、今回ゲストとして出演させていただくっていうのを聞いて、その輪の中に自分がしっかり入り込めるかっていう不安もありましたけど、個人的に演技の経験も積みたいなっていう気持ちがあったので、すごく嬉しかったです。 ──大園さんご自身、これまで舞台を観に行かれたことはあったんでしょうか。 先輩方のミュージカルや、舞台を観に行ったことがあります。映像作品とはまた違って、本当に生というか、目の前にその別世界が広がっている感覚が不思議で、日常を忘れられる時間というか、気づいたら夢中になってたなっていう感覚でした。 ──ゲスト出演という形ではありますけど、愛子は出番ごとにいいところを持っていこうとする、言わばおいしいキャラクターです。だからこそ、すでにできあがっているチームに途中合流するのはプレッシャーだったのでは? そうですね、とてもドキドキです(笑)。演出をつけてくださった金沢さんと、弥生役のひよりさんと先に3人で稽古させていただいたんですけど、そのときに「周りの皆さんを信じて、やりたい放題やっちゃっていいよ」っていうふうに言っていただけて、普段からバラエティ番組でも芸人さんとの掛け合いが楽しくて好きだったりするので、そういう気持ちに近いというか、皆さんとなんかなるようになっていくのが楽しみだなっていう感じです。 ──劇中フリーパートもあります。楽しめそうですか? それとも怖い? フリーパートはできたら毎回違うことを言いたいなって。稽古でも「ここのバリエーションを増やしてみたいです」って自分から相談してみたりして、そしたらじゃあ毎回変えてみようか?っておっしゃっていただけたので、楽しみな気持ちのほうが強いです。真剣にふざけたいです。 ──今回、登場人物の多くが九州弁を話します。大園さんも鹿児島出身ですが、ここまで九州弁が飛び交うお仕事は初めてですか? 初めてです。鹿児島もだいぶ訛りが強いほうで、福岡とはまた少し違うかなって思っていたんですけど、皆さんのセリフだったりを読んだりするとちょっと懐かしさもあったりして。それを東京で上演するということで、九州の方言ならではの、なんかほっこりとした響きみたいなのが皆さんに伝わったら嬉しいなと思います。 ──大園さんご自身は標準語のイントネーションが完璧ですよね。すごいなと思うんですけど、特訓とかされたんですか? ありがとうございます。そうですね、練習しました(笑)。 ──今回演じる愛子は、芝居がクサい元女優の女医です。あえてクサい芝居をする上で意識したことはありますか? やりすぎが全部正解って感じました。一人でこう台本を読んでみて、想像してこういうふうに言ってみようかなって思ってたものも、金沢さんからもっと言っちゃえ!みたいなふうに言っていただいて、全部やりすぎちゃうのがクサさにつながるのかなって思いました。 ──ということは、自分の殻を破れたみたいな感覚も? そうですね。でも、普段メンバーの前ではおちゃらけてたり、私もウケたがりだったりしますし、家族の中でも笑わせるのが好きだったりするので、なんかそこの本能をかき立てられた感覚でした。 ──じゃあ初参加ながらホーム感があったんですね。家の中の話ですし。 確かに(笑)。安心感はありますね。 ──途中にはミュージカル風のシーンもあります。 それも稽古していく中で、歌っちゃおうか?ってポンって決まった形で(笑)。歌うってことは、じゃあ踊っちゃおっか?(笑)みたいに決まっていったので、稽古の中で自分のシーンを育てていくというか、どんどん進化させていくのが楽しかったです。 ──ほかにも印象的な場面だと、負けず嫌い全開なセリフがあります。大園さん自身も負けず嫌いだと言われていますが、共感できましたか? 私は誰にも言わないタイプなので、愛子みたいに本人に話しちゃうのは可愛らしいなって思います。私の場合、誰かにっていうのもありますけど、昨日の自分にっていうのが一番大きくて。昨日の自分より今日はこれができたぞって思いながら、毎晩寝るようにしてます。