「逮捕は待ったほうが」検事の1人が進言も…主任検事は聞き入れず 無罪確定したプレサンス元社長の国賠訴訟
業務上横領の疑いで大阪地検特捜部に逮捕され、無罪が確定した不動産会社の元社長が国に損害賠償を求めている訴訟で、取り調べをした検事の1人が「逮捕は待ったほうがいいと主任検事に伝えた」と説明していることが分かりました。 「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さん(61)は、学校法人の資金21億円を横領したとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴されましたが、大阪地裁は2021年、「『山岸さんが横領と認識していた』とした元部下の供述は、検察官の聴取で変わった可能性を否定できない」と無罪を言い渡し、確定しました。 山岸さんは、大阪地検特捜部の違法な捜査によって精神的苦痛を受けたなどとして、国に7億7000万円の損害賠償を求める裁判を起こし、14日、国側が検事4人の陳述書を大阪地裁に提出しました。 陳述書によりますと、山岸さんと横領を共謀したとされた学校法人の理事が、取り調べの途中で供述調書の撤回を申し出たため、担当の検事は主任検事に供述の信用性をより慎重に検討すべきだとして「逮捕は待ったほうがいい」と進言しましたが、主任検事は「撤回前の供述のほうが信用できる」などとして、調書を訂正しなかったということです。 山岸さんの代理人弁護士は、「結論ありきで、当初の見立て通りに突き進んだのが明確になった。今後の裁判で、全ての違法性を明らかにしていきたい」とコメントしています。 6月には、これら検事4人の証人尋問が行われることになっています。
ABCテレビ
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