天文遺産に認定・日本初の民間天文台「倉敷天文台」の魅力 カフェ併設し観光客も楽しめる場所へ【岡山】
(倉敷天文台 原浩之理事長) 「現在でも本田先生のおかげでたくさんのアマチュア天文家が育っているという意味においては、天文台を作った当初の主旨からするとめちゃくちゃ功績があったんじゃないかなと」 設立から約100年ドームで本格的な観測は行われなくなり、望遠鏡や資料を展示する記念館になりました。しかし、曽祖父の志は今も倉敷の街に息づいています。 ここには日本の天文学に貢献した貴重な建物として倉敷天文台の設立当初に使われていた観測室が移設されています。2013年に市の教育委員会が譲り受けて市民に一般公開しました。 (倉敷科学センター 三島和久学芸員) 「日本に数多くある天文台のルーツがこの倉敷の地にあるんだということを、この観測室を通してみなさんに知っていただきたいなと思っています」 この科学センターには屋上に天文台があり、今も天文愛好家や親子連れらが宇宙や星々への存在に胸をときめかせています。 (参加した親子) 「望遠鏡見てどうだった見てどうだった」「楽しかった」「いろんなことに興味を持ってもらえたらいいね」「うん」「楽しいもんね」「うん」 ■再来年100周年「地元の人や観光客も楽しめる場所に」 日本初の民間天文台として長年、住民や自治体の手で大切に守られ今も天文学の普及に貢献している倉敷天文台。今年(2024年)3月には、倉敷科学センターに移設された観測室も含めて日本天文遺産に認定されました。星々を観察できるカフェだけでなく現在は月に1回、全国にオンライン講演会も発信しています。講師を務めた専門家は天文台の歴史的な価値を力説します。 (京都産業大学理学部宇宙物理・気象学科 河北秀世教授) 「いろんな方がぜひこの倉敷天文台のことを盛り立てていきながら、いろんな方にここを知っていただく。ここの歴史だったり、ここの存在意義だったり、そういったものをしっかり引き出す機会をもっと作っていくのがいいんじゃないかと思います」
再来年には創立100周年を迎える倉敷天文台。原さんは天文愛好家だけでなく地元の人や観光客も楽しめる場所にしたいと意気込んでいます。 (倉敷天文台 原浩之理事長) 「これから100年、200年と、こういう先人が築いたものを継承しつつ、新たな何か価値の創造というものをしていきたいと思っています。もっともっとたくさん倉敷の人そして岡山の人そういった人にここに見に来てほしいし、そういうふうなことの取組みを今着々と進めているところです」 100年の長きに渡り倉敷の街に根付く民間天文学の文化。美観地区を訪れた際にはぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
RSK山陽放送
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