吉田沙保里選手「今は銀メダル大好き」あいさつも涙 レスリング五輪報告会
日本レスリング協会は31日、東京の明治記念館で、リオデジャネイロ五輪のレスリング日本代表選手団の報告会を開いた。女子フリースタイル58キロ級で4大会連続金メダルを獲得した伊調馨選手や女子フリースタイル53キロ級で4連覇はならなかったが銀メダルを獲得した吉田沙保里選手ら出場選手をはじめ、コーチ陣や協会関係者らが出席し、リオ五輪の成果と東京五輪への抱負を語った。 【中継録画】吉田沙保里選手ら出席 レスリング五輪代表の報告会
レスリング日本代表はリオ五輪で、男子がグレコローマン59キロ級の太田忍選手、フリースタイル57キロ級の樋口黎選手がともに銀メダルを獲得。女子は伊調選手の金メダル、吉田選手の銀メダルのほか、フリースタイル48キロ級の登坂絵莉選手、同69キロ級土性沙羅選手、同63キロ級の川井梨沙子選手が金メダルを獲得し、全体で金メダル4つ、銀メダル3つという好成績を収めた。 日本レスリング協会の福田富昭会長は、吉田選手を「彼女がいたから若い人が金メダルを取れた。金以上の価値がある銀メダル」と称え、プラチナメダルを協会から送る予定だと明かした。伊調選手について、来賓としてあいさつに立った日本オリンピック委員会の竹田恆和会長は「女子の個人種目4連覇は全種目を通じて初。今後も抜かれないすごい記録」と称賛した。
その後は出席した代表選手が一人ひとり大会を振り返った。吉田選手は「今はこの銀メダルをとても新鮮に思い、大好きです」とあいさつ。しかし「また次の道に向かって頑張っていきますので応援よろしくお願いします」と語ると、こらえ切れずに声を震わせ、涙をぬぐった。伊調選手は「納得のいくレスリングはできませんでしたが、今後も頑張っていこうと思います」と述べた。 吉田選手の背中を追いかけてきたという登坂選手は「東京オリンピックで2連覇して、たくさんの方に勇気と感動を与えられるよう頑張りたい」、土性選手、川井選手もそれぞれ東京五輪での金メダルへの決意を語った。 男子は、銀メダリストの樋口選手が「2番手で終わった悔しさを忘れずに、4年後の東京オリンピックで銀メダルを金メダルに変えられるよう、これからも頑張っていきたい」、太田選手も「必ず良い色のメダル獲得を目指す」とそれぞれ東京五輪での雪辱を誓った。 来賓としては、竹田会長のほか、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長、麻生太郎財務相という首相経験者も出席。森会長は、伊調選手の国民栄誉賞について「これから協議するといわれて、駄目になったことは一度もない」と受賞に“太鼓判”を押して場内を沸かせ、麻生財務相は「本人の努力と才能にプラスして、皆さんが作った環境があってこそ、成果に結びついた」と関係者を称えた。 (取材・文:具志堅浩二)