米アップル 医療機器分野への進出も視野に? グーグルも異業種に関心
米紙サンフランシスコ・クロニクルは、アップル社のM&A部門のトップと電気自動車メーカーのテスラ社のエロン・マスクCEOが昨年春に会談していたと報道。アップルが事業拡大の一環として、電気自動車メーカーの買収を目論んでいると伝えました。この報道が影響したのか、テスラ社の株価は18日に上場以来最高値となる206ドルにまで急伸。両社の今後の動きに注目が集まっています。エロン・マスクCEOは、テスラが買収される可能性は「非常に低い」としていますが、米アップル と協議の場を持ったことを認めています。
テスラ社との接触は本格的な事業拡大の始まり?
アップルとテスラの両社はサンフランシスコ・クロニクル紙の取材に対し、買収計画の存在に関するコメントを一切出しませんでしたが、逆にそれが様々な憶測を呼ぶ要因になっています。アップルの企業買収は多岐に及び、同社が公開した会計報告書によると、昨年の第4四半期だけで5億ドル以上が企業買収に使われています。 iPhoneやiPadといった世界的に知られた主力商品が存在する中で、これまでとは全く異なる分野に進出が噂されるアップルに対して、アメリカ国内ではリスクの大きさを指摘するアナリストも少なくありませんが、異業種参入という形で事業拡大を試みるアップルが自動車業界に何らかの化学反応を起こすのではという期待も存在します。
医療機器分野への進出話も浮上
16日付のサンフランシスコ・クロニクル紙は、アップル社が映画界で名前の知られた有名エンジニアのトミルソン・ホルマン氏を招き入れ、医療機器の開発に向けて動き始めたとも報じています。ホルマン氏は劇場用に10.2チャンネルのサラウンドシステムを考案した音響効果の専門家で、2002年のアカデミー賞では技術功績賞を受賞しています。映画界の有名な音響専門家と医療機器。一見すると共通点はあまり無いようにも思えますが、同紙は関係者からの取材の結果、ホルマン氏が主導する新プロジェクトチームが体内の血流音の違いを認識することによって心筋梗塞の危険性を事前に警告する医療機器の開発を目指していると報じています。 情報筋の話では、アップル社は詰りが発生した状態の動脈内を流れる血液音を探知するためのセンサーやソフトウェアの開発に着手するために動いており、これらの機器が完成し認可された場合、アップル社がポータブル製品の分野で新たな市場を開拓する可能性が高くなります。電気自動車や医療機器といった他分野への進出が噂され始めたアップルですが、同様にグーグルなどの競合他社も新しいビジネスを模索しており、競争はさらに過熱しそうです。