【高校野球】日立一のエース薄井が初回からスクランブル登板も動じず1失点好投 大逆転コールド呼んだ
◆第106回全国高校野球選手権 茨城大会 ▽1回戦 日立一14ー6緑岡(7回コールド) 日立一の左腕・薄井智輝投手(3年)がスクランブル登板で好投し、初戦突破の立役者になった。 先発は背番号11の右腕・矢嶋楓斗(3年)だったが、薄井は坂本泰彦監督から「矢嶋に何かあってもいつでもいけるように」と指示を受け、初回からブルペンで肩を温めていた。 矢嶋は4連打を浴びるなど、打者7人に対し、2死を取っただけで5失点。さっそく薄井に出番が来た。最初の打者となった8番に二塁打を放たれるも、その後は早めの準備が功を奏し、6回1/3を4安打7奪三振で投げきった。初回にいきなり5点のビハインドを背負ったチームだったが、薄井の登板で流れが変わり、その裏、6四死球などで3点を返して反撃開始。2回には打者13人で一挙8点、一気に緑岡を突き放した。 「元々コントロールがよくなかった」という薄井が本格的に投手を始めたのは中学3年生の時。「おまえのストレートは必ず使える」と当時の監督に言われたことがきっかけだった。心を鍛え、この冬は下半身の強化にも努め、この春からエースナンバーを背負っている。坂本監督は投手2人について「薄井がよく投げてくれた」と称賛。その上で「矢嶋も悪いピッチャーじゃない。夏の初戦のプレッシャーがあったと思う」とかばった。 チームは1985年以来39年ぶり2回目の甲子園出場を目指す。初戦は中学生を含め全校生徒が応援に駆けつけ、チャンスには高校野球定番の応援歌にもなった同校発祥の「See Off」で盛り上がった。吹奏楽部の萩谷胡実部長(2年)によると全校生徒での応援練習は6月中旬から始めたといい、息の合った応援を見せた。「さあ 燃えろ 白堊(はくあ)の球児たち 今こそ そのとき 栄光の火をかざせ 行くぞ 甲子園」と歌いながらメガホンを回して跳ね続け、選手を後押しした。
報知新聞社