JPモルガン、セガンティとブロック取引停止-インサイダー事件受け
(ブルームバーグ): 米銀JPモルガン・チェースは、アジアのヘッジファンド運営会社セガンティ・キャピタル・マネジメントとの取引を制限する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
非公開情報を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、セガンティは、香港でインサイダー取引事件の責任を問われており、グローバルの新規株式公開(IPO)と新たなブロック取引について、JPモルガンはセガンティと今後関与しない。
セガンティとの新たなポジション設定や追加のファイナンシング(資金提供)といった取引からも手を引く。
関係者によれば、JPモルガンはその立場をセガンティに今週伝えた。状況は流動的で変わることもあり得るという。JPモルガンの広報担当者とセガンティはいずれもコメントを控えた。
セガンティは、ブロック取引やIPOで大量の株式を手放す必要のあるウォール街の銀行にとって、長い間極めて重要な顧客だった。
3月の投資家への最新業績報告によると、セガンティ向けにファイナンシングを行うプライムブローカーのリストには、JPモルガンのほか、ゴールドマン・サックス・グループ やBNPパリバ 、UBSグループなど九つの金融機関が名を連ねた。
ブルームバーグが今週伝えたところでは、セガンティと結び付きのあるグローバルプライムブローカーは、同社とのポジションを再評価し、関係を変更すべきかどうか内部で慎重に検討している。
JPモルガン以外の少なくとも二つの金融機関も、インサイダー事件が決着するまでの間、セガンティとの取引を控えることを決めたと複数の関係者が証言した。
香港証券先物委員会は先週、セガンティと創業者のサイモン・サドラー最高投資責任者(CIO)、ダニエル・ラ・ロッカ元トレーダーに対する刑事手続きに着手した。2017年6月のブロック取引に先立ち香港上場企業の株式を取引した際、セガンティがインサイダー情報を得ていたと証券先物委は主張。同社は積極的に争う構えを示した。