中学受験に向いていない親が子どもを勉強嫌いにする!? 受験のプロが語る「親がやるべきこと」
子どもだけではない、親にも中学受験に対して向き不向きがあります。“にしむら先生”としてYouTubeでフォロワー数約9.5万人、受験指導専門家・西村創先生にお話を聞くシリーズ第3回。子どもに勉強を好きになってもらうために、保護者がやるべきこととは? 【現役開成校生が語る】中学受験直前の僕に、不安も辛さも感じさせなかった両親の態度
中学受験に向いていない親は成績に一喜一憂
第2回では、「中学受験に有利な子の特徴」を西村先生に教えていただきました。しかしこれは子どもだけの問題ではありません。「中学受験に向いている・向いていない」は、保護者にも当てはまるのです。 端的に言ってしまえば、「中学受験に向いている親」が「中学受験に有利な子」を育て、逆もまた然りということになるでしょう。保護者の働きかけは、それだけ子どもにとって重要なのです。 まず、「中学受験に向いていない親」にはどのような共通点があるのでしょうか? 「子どもに対して、すごく近視眼的なんですね。目の前の成績だけを見て一喜一憂して、気持ちが急激に上がったり下がったりしてしまう。良くないことだとご自身でもわかっていらっしゃると思うんですが、コントロールできない。これでは中学受験には向いていません」 父親に多いパターンが、偏差値主義だと言います。 「偏差値で何でも決めようとしてしまうんです。子どもの偏差値が下がって、クラスも下に落ちちゃったから、もう塾辞めさせるとか。偏差値60以上の中学だったら行ってもいいけど、それ以下だったら受ける必要ないとか。本来、偏差値って気にしてもあまり意味がないんです。右肩上がりに成績が伸び続ける子どもなんていませんから。どんな子でも伸び悩むし、後退します。そんなときに偏差値で判断しようとする親御さんは、中学受験には向いていません」
中学受験に向いている親は、勉強を幅広く捉える
では「中学受験に向いている親」の特徴とは何でしょうか? 「単純に『向いていない親』の逆です。目の前の数字ではなくずっと先を視野に入れて、長い時間軸でお子さんのことを考えてあげられる。そういう親御さんは、比較的、中学受験に向いているなと思います」 子どもにとっての勉強は机上のドリルワークだけではない、という意識も重要です。 「ドリルワーク=勉強と思い込んでいる親御さん、結構多いと思います。私はよく『どのドリルワークがいいですか?』って聞かれるんですけれど、いきなりそれを子どもにやらせても逆効果です。つまらないから、子どもはすぐに勉強嫌いになっちゃいます。ドリルワークの前に、もっとやることがある。勉強を広く捉える必要があるんです。自然の中で遊ぶ、人とコミュニケーションを取る、親と話す、スポーツする、あらゆることが勉強です」 実際、運動は非常に効果的です。 「中学受験は、最終的には体力勝負ですから。体力のない子は、集中力も比例してなくなっていきます」