宇野昌磨、未練「全くない」引退意識は2年前、羽生結弦さんとチェンが競技会去り「取り残されてしまった思いも」
フィギュアスケート男子で2018年平昌、2022年北京両五輪メダリストの宇野昌磨(トヨタ自動車)が14日、都内で引退会見を行った。 スーツにネクタイを締め登場した宇野。21年間に及ぶ競技生活に終止符を打ち「まさか僕がこういう選手になれると思っていなかった。人前でしゃべれる人間になれるとも思っていなかった。フィギュアスケートと出会えて、感謝とともに驚きのことばかり。本当に僕は幸せだった」と振り返った。 引退を意識し始めたのは2年前だと明かした。考え始めた理由については、背中を追いかけ続けてきた五輪連覇の羽生結弦さん、22年北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)が競技会を去ったことも大きかったという。「なんかすごくさみしい気持ちと、取り残されてしまった思いもあった」と話した。 2年後、次の26年ミラノ五輪が控える中での引退決断に未練を問われると「正直、全くない」ときっぱり。「昔の映像を振り返ってもよく頑張ったなって。自分のことなのであまりほめちぎりたくないが、素晴らしいことをなし遂げられた」と語った。ステファン・ランビエル・コーチには昨年12月の全日本選手権で、引退の考えを伝えたという。 宇野は9日に自身のインスタグラムを更新し、現役引退を発表。「この度、現役選手を引退する決断を致しました。今日まで競技者としての僕を応援してくださった皆様、支えてくださった皆様本当にありがとうございました。5歳の時にスケートと出会い、21年間続ける事ができ、素晴らしい競技生活を送れたことにとても感謝しております」などとつづった。 五輪では個人で銀と銅のメダルを獲得し、世界選手権では22、23年と日本男子初の連覇を達成。GPファイナルも22年に初優勝し、五輪を除く全ての主要国際大会を制覇。史上初の4回転フリップ成功者にもなった。日本男子フィギュア界をけん引し、輝かしい結果を残し続けてきた。
報知新聞社