スタメン抜擢の2人がゴールに絡み 市船が星稜を大差で退け、ベスト8へ!
効率よく得点を重ねた市立船橋が、4対1で星稜を退け、ベスト8に名乗りを上げた。 なか一日というタイトな試合日程を考慮したのだろう。市船は2回戦のスタメンから2名を入れ替え、またポジションも少し変更して臨んだ。その采配がズバリ的中する。 【フォトギャラリー】市立船橋 vs 星稜 まずは18分、市船が左SB3内川遼(3年)の鋭い一発で先制。29分に星稜の右MF7山口晴(2年)に同点弾を許したが、36分に右CKのチャンスをものにして、突き放す。 キッカーはキャプテンのMF7太田隼剛(3年)。会心のヘッドでゴールネットを揺らしたのが、この日スタメンに抜擢されたCB16岡部タリクカナイ颯斗(2年)だ。本来は攻撃的な選手ながら、U-18プレミアリーグではCBやボランチを務めるなど、新たな可能性を模索している最中だ。 「CBは守備が第一。攻撃に出ていく状況は少ないけれど、自分はやっぱり点を取るのが好き(笑)。セットプレーのときはチャンスなので、ねらっていました。いいボールがきたので、合わせるだけでした」(岡部) 身長184センチと、恵まれた体を生かし、ジャンプ一番。相手より一歩早くボールをとらえ、勝ち越しゴールを叩き込んだ。 そして、ダメ押しの3点目に絡んだのが、岡部同様、スタメン起用された左MF14森駿人(3年)だ。67分、左サイドのスペースに飛び出すと、丁寧にゴール前に折り返す。この日はMFではなく、2トップの一角に入っていたFW8足立陽(3年)の豪快ミドルをおぜん立てした。さらに、後半から登場した市船の絶対的エース、FW10郡司璃来(3年)が終了間際に鮮やかに決め、格の違いを見せつけた。 星稜の河合伸幸監督は「ボールを動かすことはできましたが、フィニッシュの精度や前に人数を割いていく攻撃の迫力など、相手が上手でした」と、脱帽。それでも「ウイングからウイングで、点を取ろうと話していて、そのねらいが結果につながったことはよかった」と、収穫も口にした。 試合前日の元日に星稜の地元・石川県が大地震に襲われ、動揺が走ったが、さまざまな形で被災地にエールが送られた。市船イレブンは「力をあわせて乗り越えよう」と書かれたメッセージを手に、試合前の集合写真を撮った。スタンドには地元から駆けつけられなかった星稜応援団に代わり、他校の選手たちや保護者たちが声をからした。 一日も早い被災地の復旧を、誰もが願っている。 (文・写真=小室功)