マクラーレンの”嬉しい誤算”。アップデートが低速域で予想以上の効果を発揮「嬉しいが、原因を探らないと……」
マクラーレンは、マイアミGPでアップデートを投入してから3戦連続で優勝争いに絡む速さを見せているが、特に低速域でのパフォーマンス向上は予想以上であり、その原因は分かっていないという。 【動画】オープニングラップに衝撃の大クラッシュ発生! ペレスのマシンは見るも無惨な姿に|F1モナコGP マクラーレンはマイアミGPでMCL38にアップデートパッケージを投入し、ランド・ノリスのF1初勝利に貢献した。 ノリスは次のエミリア・ロマーニャGPでも勝利まであと一歩の2位を獲得。モナコGPでもオスカー・ピアストリが2位、ノリスが4位となっている。 マクラーレンはアップデートが好成績に貢献していることを喜ぶ一方で、アップデートがもたらした利益がなぜ予想以上なのかについては若干の疑問を持っているようだ。 チーム代表のアンドレア・ステラは、チームがさらなるマシン開発にどう取り組んでいくべきかをより良く理解するためには、状況の真相を明らかにすることが重要だと考えている。 「我々が予想していたこと、そして我々が目の当たりにしたものは、あらゆるコンディションでダウンフォースが増しているということだ」 「しかし我々が予想していたものと比べて、マシンは低速域でよりうまく機能しているようだ。我々の開発ツールでみると、予想していたより少し良いんだ」 「それは良いニュースだが、その理由を正確に理解する必要がある。適切な情報があれば、さらにその方向に開発を進めることができるんだ。それはラップタイムを稼ぐ上で非常に有益だし、低速コーナーのあるサーキットでも競争力を発揮できるようになるからだ」 ステラ代表は、ドライバーのふたりがより自信を持ってハードにプッシュできるようになった結果が、予想外のパフォーマンス向上の一部につながっているとも付け加えた。そして原因を慎重に切り分けて考える必要があると強調した。 「アップデートが予想より少しうまくいっている領域は、コース全域におよんでいる。低速に特化しているわけではないんだ」 「我々にとって、なぜ今のクルマが低速でかなり良いと思えるのか、まだ未解決のポイントなんだ。早合点は禁物だ。この疑問に対する最も正確な答えを導き出すのは、かなり基礎的なことなんだ」 「大きなチャンスにつながる可能性があるから、なぜ今マシンが低速で競争力を持つようになったのかを正確に理解する必要がある」 またステラ代表は、マシンが予想以上のパフォーマンスを発揮しているのは、ファクトリーでのシミュレーションと実走行での相関性の問題によるものではないという。実際のダウンフォース増加量は目標通りだからだ。 「相関性とは何かということと、サーキットで計測されたデータを区別する必要がある。この観点からして、物事はほぼ予想通りだからだ」 「シミュレーションをすると、どれだけタイムがゲインできるか計算できると思う。それを少しだけ上回っているんだ。つまり、開発とトラックサイドの相関関係が問題ではない」 「ラップタイムの観点から見て、恩恵がシミュレーションよりもわずかに大きいんだ」
Jonathan Noble