「エレベーターホールに幽霊が出る」高級タワマンで拡散したコワいうわさ…管理組合の新任理事長が突き止めた〈驚愕事実〉とは
深夜の騒音に悩む人、昼間の生活音をクレームされて悩む人
エレベーターホールのような共用部の騒音ならまだいいが、これが住戸内に響く騒音となると事態は深刻化する。 夜中に洗濯機を回す住戸があり、騒音被害を被る住民が「うるさくて眠れないから止めさせてほしい」と管理組合に泣きついてくる。だが、洗濯機を回している住戸の特定は簡単ではない。そのため、全住戸に向けて、 「夜中の洗濯はご遠慮ください」 「洗濯機の下に振動抑制ゴムシートを敷いてください」 といった内容のチラシを配るなどして対応するしかない。しかし、このようにアナウンスに強制力があるわけではない。実践してくれる住民もいるが、非協力的な住民もいる。結局、そこが管理組合の限界点なのだ。 また逆に、音に敏感すぎる隣人からの嫌がらせに悩まされる住民もいる。 「日中に掃除機をかけているだけで、隣のお宅が壁をゴンゴン!ゴンゴン!と叩いてくるのです」 壁を叩かれた住民は、隣宅に気を使って静音性の高い掃除機に買い換えたが、それでも「ゴンゴン!」は止まらない。 「掃除機なんて、どこのお宅でも使っているでしょう? 私、もう耐えられません、助けてください…」 恐らく隣の住民は強烈に神経質な人なのだろう。どんなに配慮しても「ゴンゴン!」が止むことはなく、そのうち少しでも生活音をたてると、壁から「ボスッ!」「ベコッ!」と、別のもので叩く音まで響くようになった。 「私たち、引っ越します…!」 壁を叩かれ続けたシニア夫婦は、疲れ切った表情でタワマンから去って行った。終の棲家として購入したという話を知っていたT氏は、気の毒な結末に胸を痛めたのであった。 「どこへ行かれたのであろうか…」 タワマンだからといって、音がまったく響かないというわけではない。騒音トラブルは、やはり一般的な集合住宅と同様、各所で起こっているのだ。
共用ラウンジのばか騒ぎ…問題解決はつねに「いたちごっこ」
騒音のクレームの頻度が最も高いのが、共用部の「ラウンジ」だ。夜間に貸切パーティーが催されたりすると、「ラウンジがうるさすぎる!」「眠れない、静かにさせてくれ!」といった苦情が飛び込んでくる。 パーティーで騒ぎたくなるのもわかるが、場が盛り上がっているときの声は、本人たちが思っているよりずっと大きく、甲高い。そのため、部外者には相当耳障りに聞こえる。 「夜間は使用禁止にできないか?」 「住民以外を招くパーティーを禁止できないか?」 等々いろいろな要望が寄せられるが、ガイドラインを設けて抑制するだけの権限は管理組合にはない。 T氏はこのようなクレームには、ひたすら対症療法で向き合ってきた。クレームがあるたびラウンジに足を運び、様子を見守るのである。常軌を逸するほど騒がしいと判断した場合は、勤務中の管理人や警備員に連絡し、注意喚起してもらうよう依頼する。これをひたすら繰り返す。まさにいたちごっこである。 管理組合のなかには、過去に2回以上注意された騒音常習者の場合、3回目以降の申込みは遠慮してもらうなどのローカルルール設定をしているところもあるようだ。