トランプ氏、共和党議員団と会合 経済・移民対策・結束訴え 襲撃事件後初めて議会近くへ
【ワシントン=渡辺浩生】11月の大統領選で共和党の指名を確実にしているトランプ前大統領は13日、ワシントンの連邦議会近くの同党施設で議員団との会合に参加した。経済や国境警備など主要公約を協議し党の結束を確認した。前回大統領選結果の不正を訴えたトランプ氏の支持者による2021年1月の議会襲撃事件後、同氏自身が議会近くを訪れたのは初めて。 トランプ氏は会合後、議員団に囲まれながら記者団に「共和党はこの上なく結束している」と強調。「米国は衰えている国だ」と指摘し、軍事力や国境警備の強化、物価高克服などの政策により「米国を再び偉大にしたい」と訴えた。 米メディアによると、トランプ氏は会合で、中国製品への関税強化や所得税減税を主張しウクライナへの軍事支援を批判。同党議員の多くが連邦法による禁止を訴える人工妊娠中絶の是非は各州の判断に委ねるべきとの持論を語った。 出席議員には副大統領候補指名が取り沙汰される上院のバンス議員、ルビオ議員、スコット議員らの姿があった。トランプ氏はFOXニュースに対し、副大統領候補について「とてもいい考えがある」と述べ、7月の共和党全国大会で発表する意向を示した。 民主党は「トランプ氏は今日、米国の民主主義の解体という(襲撃事件と)同じ目的で連邦議会に来た」(ペロシ元下院議長)と訪問に反発。トランプ氏は前回選挙の敗北を認めず「不正があった」と虚偽の主張をしたことが事件の引き金となったとされている。