給水車を待つ市民の長い列 ヨハネスブルグ深刻な水不足
ヨハネスブルグ、南アフリカ、3月22日 (AP) ― 南アフリカ最大の都市ヨハネスブルグが、前例のない水道システムの崩壊で、約600万人を超える人口に影響が出ている。 貧富を問わず、これほど深刻な水不足はこれまで経験したことがない。 日照りが貯水量を減少させている一方で、数十年間放置されてきたインフラの崩壊も大きな原因となっている。 国民の不満は、1990年代のアパルトヘイト(人種隔離政策)廃止以降、政権を安泰に維持してきた与党アフリカ民族会議にとって、危険な兆候といえる。 ヨハネスブルグの中心地では、住民が連日列をなして給水車の到着を待っている。 住民に選択の余地はない。給水車を待つか、5リットルのペットボトル入りの水を1ドル30セント払って買うしかないが、人口の32パーセント以上が失業者という国では、決して安い買い物ではない。 ヨハネスブルグとその周辺都市の住民にとって断水は珍しくはないが、一度に全地域におよぶことはこれまでなかった。 ヨハネスブルグと首都プレトリアを含むハウテン州の水道管理当局は、水の消費量を減らさなければ水道システム全体の崩壊につながりかねないと、両市の当局者に伝えた。 つまり、貯水池の容量が10%を下回ることになり、補給のために貯水池を閉鎖しなければならなくなる。 その結果、暑い気候で水の需要が高い時期に、何週間も蛇口から水が出なくなる可能性がある。 ヨハネスブルグの水道システムは、アパルトヘイト廃止に伴い黒人地区に拡張されたが、数十年にわたる管理不行き届きと、老朽化したインフラの整備不良が今日の水不足を招いた最大の原因といわれている。 南半球に冬が到来するのはまだ数週間先のことだ。 公式に干ばつ宣言は出されていないが、当局は住民に対し、ありったけの水を節約するようより掛けており、ハウテン州に水を供給するランド・ウォーター社も、住民に消費量を減らすよう訴えている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)