焚き火の片付けをぐんとスピードアップ! 焚き火マイスター愛用の「火に効く魔法のアイテム」とは?
『焚き火と道具』は、テレビや雑誌で活躍中の焚き火マイスター・猪野正哉さんが、愛用している焚き火道具について語り尽くした1冊。マイスターの使う道具にはそれぞれに物語があり、選んだ理由、気に入っているところ、手放せなくなったポイントがあります。 【写真】焚き火マイスター猪野正哉氏の焚き火のスタイルを見る(全5枚) 今回はそんな焚き火マイスター愛用の「あると便利な消火アイテム」について転載します。
帰宅時間を早めてくれる魔法の粉
焚き火撮影は夕方から夜にかけて行なわれることが多い。あたりが暗闇に包まれる前に終わらせないと面倒になるため、撤収作業はスピード勝負になる。 だが、焚き火を簡単に片づけることは難しく、つい気を使って「どうぞどうぞ、先に帰ってください。あとは任せてください」と撮影スタッフを先に帰らせてしまう。 現場に一人、取り残されると自問自答の時間が始まり、「俺はなにをやっているんだろう?」とリトル猪野と話し込んでしまう。焚き火のたびに毎回自分と向き合う時間は、正直、きつかった。 そして撤収して終わりではなく、そこから、借りた商品を掃除し、梱包し発送する。もうひと仕事あるのである。 ある日、テレビで『家政婦のミタ』を何気なく見ていたら、天ぷら火災の初期消火に重曹を使っていた。重曹が燃えると二酸化炭素が発生し、燃焼に必要な酸素をシャットアウトしてくれる。炎を消すというより、炎を押さえる感じだ。 「これは使える!」と、焚き火の消火用にも使うようになった。熱は残るが、明らかに消火スピードが速くなった。帰宅時間も早くなった。
消火に役立つ、だけじゃない
ポイントとしては、燃えさしをギュッと集めて空気の通り道をなくしてから振りかけたほうが、より重曹のパワーが発揮される。 また粉末状で使いやすく、焚き火台を傷める心配がない。必要な量は台の大きさによるが、私は常に2袋は携帯している。 また、鍋の焦げつきや煤汚れは重曹できれいに落ちる。使い方は水と重曹を入れて沸騰させるだけ。冷めたら軽くこするだけでも驚くほど落ちる。 ちなみに私が使っている重曹は、コーナンオリジナル重曹。 消火後、燃えさしの山の状態だと、熱が逃げにくい。 燃えさしを崩して、全体に薄っぺらく広げることで熱が下がりやすくなる。
ソトラバ編集部