小雪”九条”の意味深な表情の意味とは? 続編を希望するワケ。ドラマ『スカイキャッスル』最終話考察
松下奈緒主演のドラマ『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)が完結を迎えた。人気韓国ドラマを原作とした本作は、高級住宅街「スカイキャッスル」を舞台に、秘密を抱えたセレブ妻たちによる壮絶マウントバトルが描かれる。今回は、最終話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】小雪の笑顔ににゾクッ…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『スカイキャッスル』劇中カット一覧
あっていいはずの愛情が“毒”に変わる…。
“毒親”とは、子どもに対して悪影響を及ぼす親のことを指す。虐待やネグレクトなど分かりやすい“毒”であれば、誰が見ても“毒”だと分かる。でも、過保護や過干渉の場合は、ちょっとむずかしくて。親は悪気がないどころか、むしろ「子どものためにすべてを捧げてきた」と自信満々だったりする。 『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)の紗英(松下奈緒)も、香織(戸田菜穂)もそうだ。食事を与えなかったわけじゃない。むしろ、栄養たっぷりの料理を作ってきた。教育にもお金をかけて、時間だってたっぷり注いだ。自分のことは二の次で、子どものことをいちばんに考えてきた。 それなのに、なぜ? と戸惑ってしまうのも、無理はない。だって、足りないものがないのだから。注いだ愛も、使った時間も、すべてが“過多”だっただけ。愛を注ぐのは悪いことではないし、寂しい想いをさせないように、多くの時間をともにしようという考えも、間違っていない。でも、それが子どもにとって“重荷”になると、あっていいはずの愛情が“毒”に変わり始める。
“親”への復讐にとらわれた九条(小雪)
「どの親も、みんな子どものことを愛してるんだから」と言う人がいる。そう言える人は、親からまっすぐに愛情を注がれてきたのだろう。でも、そうじゃない子どももいて、そうじゃない親もいる。とくに、過保護や過干渉の親を持つことで悩んでいる子どもは、「でも、あなたのことを愛しているがゆえのことでしょ?」なんて諭されてしまいがちだ。 個人的には、親の存在が“呪い”になっているのなら、いち早く自立をすればいいし、そのことに対して罪悪感を抱く必要はないと思う。でも、九条(小雪)のように、苦しめられた分だけ、親を苦しめようとするのはどうだろう。 九条の母親は、紗英や香織のように、教育熱心で過保護で過干渉だった。だから、決別しよう…と思ったところまでは理解できるのだが、親を絶望させることで復讐をしてやろうと考えたのは捻じ曲がり過ぎているように思う。 親を絶望させるために受験勉強をして、親を絶望させるために合格した学校の入学拒否をする。それだと、九条の人生はいつまでも母親に囚われたままにならないだろうか。