小池知事「都市型災害の知見を大阪府と共有していきたい」
東京都の小池百合子知事は22日の定例会見で、大阪北部で18日に起きた地震について、「今回の地震は都市直下型ということが大きなポイント」と述べ、都市型災害の知見を大阪府とも共有し、都の防災対策に生かしていく考えを示した。
29日までにブロック塀の安全点検
今回の地震では女子児童が倒れたブロック塀の犠牲になった事故が起きた。これを受け、小池知事は都内公立学校のブロック塀についての安全点検結果を29日までに報告するよう、市区町村と各学校に求めた。結果は取りまとめて公表する予定だという。 学校以外の民家などのブロック塀については、都の「耐震ポータルサイト」に、所有者に対して自己点検の方法やブロック塀の改善方法などを情報提供していく。 ブロック塀の修理・撤去が必要になる場合の際の助成制度については、「いま政府の方で、小中学校でブロック塀を撤去、回収する費用が必要な時の補助金を検討中と聞いている」と述べ、国と連携して今後の対応を検討していく考えを示した。 大阪の地震では交通網が混乱し、多くの帰宅困難者が出るなど大都市ならではの課題も浮き彫りになった。こうした帰宅困難者の受け入れ先確保のために「民間事業者の協力を得ていくことが必要」と述べ、一時滞在施設の拡大に努めているとした。水や食料など備蓄品の購入に対する補助も行う。 会見で小池知事は、増加する東京在住の外国人への災害情報の伝達にも課題を感じたと明かした。「スマホで警報が鳴っても、どういう意味か伝えないと分からないし、パニックを誘うかもしれない」と述べ、大阪府とは都市型災害の知見などを共有していきたいとした。 このところ再び各地で地震が相次いでいる。「災害忘れたころにやってくるというが、最近は忘れる前にさまざまな災害が発生している。常に防災意識を持って、いざという時に適切な行動を取れるよう備えて欲しい」と防災意識の高まりを促した。 (取材・文:具志堅浩二) ・東京都 耐震ポータルサイト