自民・古川禎久議員「金利は体温」日本経済“低体温症”から脱却の時
政策アナリストの石川和男が7月20日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。自民党財政健全化推進本部長の古川禎久衆院議員と2024年版「骨太の方針」について議論した。
政府は6月21日、2024年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。デフレからの完全脱却や相次ぐ賃上げの動きを定着させ、成長型の新たな経済ステージに移行させていくことを「最重要課題」と位置付けている。また、財政面では2025年度のプライマリーバランス=基礎的財政収支の黒字化を目指すという、これまでの目標は維持した上で、来年度から新たな経済・財政に関する計画の実行を通じて「経済再生と財政健全化の両立」をはかっていくとしている。 番組にゲスト出演した元法務相で自民党財政健全化推進本部長の古川禎久衆院議員は、まず日本経済の現状について「バブル崩壊後、企業は生き延びるためにコストカットを行い、その結果、物価も賃金も上がらずデフレになった。産業力、技術力への投資が疎かになって、気がついてみると生産性の低い国、投資されない国になってしまっていた。それがようやく今、賃金が上がって、企業の設備投資も増えて、日経平均株価も史上最高値を更新。これまでのコストカット型経済から成長型経済に移行しつつある」と述べた。 また、円安や物価高が続くなか、今年3月に日銀がマイナス金利政策を解除し「金利のある世界」へ向かいつつあることについて「金利は人間の体に例えれば、体温や血圧。活発な運動をしようと思ったら、適度な体温・血圧があって当然。しかし、この30年日本経済は超低体温・超低血圧に抑え込んできた。今後“金利のある世界”になって、企業は金利やインフレ率を上回るリターンをあげなければいけなくなる。だから。設備投資をして頑張ろうとか、そういうチャレンジ精神がなく低収益でいいやなんていうところは厳しくなって、新陳代謝が進む。そうして生産性の高い分野や企業に、人も資金も集まるようになって、日本経済が元気になっていく」と持論を述べた。 その上で、財政健全化については「政治が財政リスクに対してきちんと向き合っているという姿勢を、マーケットや世界にきちんと見せることが大事。この一点」と断言。具体的にはプライマリーバランスの黒字化目標の堅持だと主張。財政の役割を「多頭馬車の御者」にたとえ、「色んな支出(馬)がある中で、時には憎まれながらも必要な時には手綱をしっかり締める。そうしないと馬車(国家財政)は転覆してしまう」と語り、バラマキ政策抑制の重要性について言及した。