『トキコイ』に訪れた新たな“急展開” すべてつながっている廻、翔、広瀬、梓の関係
大学生だった廻(吉岡里帆)と出会い、恋に落ちた未来人の翔(永山瑛太)。そんな10年前の2人の恋の終わりを見届けた2023年の廻と翔の前に天野(伊藤万理華)が現れ、タイムパトロールの隊長・和井内(石田剛太)に逃避行がバレてしまったと告げる。12月5日に放送された『時をかけるな、恋人たち』(カンテレ・フジテレビ系)は第9話。今回描かれるのは“時間犯罪者”の影を追う、タイムパトロールらしい本格的な調査の模様。廻と翔の恋の急展開のクライマックスを前に、また新たな“急展開”が訪れたといえようか。 【写真】過去の廻(吉岡里帆)を覗き見する現在の廻(吉岡里帆)と翔(永山瑛太) 2人が時空犯罪団と組んでいるものと勘違いしていた和井内は、駆け落ちと聞いて拍子抜け。そんななか、廻の職場の上司・猿谷(岩谷健司)が時間犯罪者と接触して利益を得ているという情報が舞い込んでくる。今度こそ手柄をあげるべく(廻と翔が結ばれるための策として、廻の任期を延ばすために時間犯罪者を捕まえようというのが前回のエピソードからの2人の目標であった)、2人は2022年10月5日へ。そこでは翌日に控えた“ゆずこしょうキャラメル”のプレゼンのために残業して頭をひねる廻と広瀬(西垣匠)の姿があった。 第1話から第5話までは未来からやってきた“バッドトラベラー”による恋模様とその辻褄合わせが描かれ、廻と翔が“恋の逃避行”へ出発した第6話以降は廻の人生のターニングポイントとなる瞬間をたどってきたこのドラマ。しかし今回は、そのどちらにも合致しない。しいて言うならば、後に婚約に至る広瀬と梓(田中真琴)の交際のきっかけになる瞬間ではあるのか。第2話で同僚に結婚の報告をしていた広瀬と梓。その際に広瀬は「1年前に仕事の相談に乗ってもらって…」と馴れ初めについて話しており、おそらくそれは今回のエピソードで描かれた“ゆずこしょうキャラメル”のプレゼンについてのアドバイスのことだろう。 だとすると、奇しくも2人を結び付けたのが2023年からやってきた廻ということになる。この1年後に広瀬と梓が正式に婚約したものの、広瀬は廻への想いを断ち切れずに婚約を破棄。そして廻に想いを告げ、彼女を追いかけて2013年までやってきて、そこで2023年の翔と言い合いになってその時代に存在しないワードを連呼。その調査のために未来からやってきた翔が廻と出会い恋に落ち、別れ際の約束通り2023年で2人は再会を果たす。この4人の関係はすべて(かなり複雑なかたちで)つながっているというわけだ。 そういえば前回、2013年で起きた一悶着が落ち着いたタイミングで梓がタイムボードに乗って広瀬を迎えにやってきた。そもそも広瀬も第7話の結末でタイムボードを押す誰かと遭遇するシーンが描かれていたが、それが誰かはまだ明かされていない。2人をタイムボードで過去に送り込んだのが誰かなど、まだいくつも辻褄合わせがされていない部分が残るなかで、今度はタイムパトロール隊員の八丁堀(シソンヌじろう)が時間犯罪に手を染めている事実まで発覚する急展開。しかも前回あたりから“航時法”というワードが強調されているのも妙に気になるところだ。
久保田和馬