<後半勝負・尽誠学園の軌跡>/1 気持ちの弱さを実感 昨夏県大会 英明に大敗、雪辱誓う /香川
2018年11月にあった1年生県大会。当時1年生だった菊地柚選手(2年)らが中心となったチームは、準決勝の三本松戦で川崎風汰選手(同)が満塁で適時三塁打を放つなど活躍し、逆転で勝利。決勝では強豪の高松商を6―1で降し、優勝を果たした。苦しい場面でも最後まで粘り、少ない好機を生かして勝つことができた自分たちの戦いに自信を持つことができた。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 この大会以来、「甲子園出場」に手が届くように感じられ、明確な目標に向かってより厳しい練習に取り組むようになった。菊地選手らが2年生となり、迎えた19年夏の県大会では多くの3年生部員がいる中、仲村光陽選手(同)ら2年生6人がレギュラーメンバーに選ばれた。「先輩たちと一緒に甲子園に行く」。強い思いで県大会を勝ち進んでいった。 準決勝では英明と対戦。18年秋の県大会の準々決勝でも対戦して1―6と完敗し、雪辱を果たそうと挑んだ。しかし、相手に四死球を与えて安打を打たれ、守備では細かいミスも目立つなど序盤から大量失点を許した。相手投手が投げ込む厳しいコースに打線もつながらず、七回コールドで敗退。「こんなに悔しい思いは初めて」。出場した2年生たちは悔し涙を流した。 しかし、3年生たちは下を向くことなく「お前らなら絶対勝てる。頑張れ」と、後輩たちに声を掛けた。「大量点を取られ、何より気持ちで負けていた。甲子園に出るには、厳しいコースや速球にも対応できる打撃力も必要だ」。3年生たちの思いを胸に、秋の大会で英明に勝って優勝するとリベンジを誓い、新チームが始動した。=つづく ◇ 相手にリードを許しても終盤で追い上げて逆転する“後半勝負”で秋の四国大会の決勝まで勝ち進み、18年ぶりのセンバツ出場を決めた尽誠学園。これまでの戦いの軌跡をたどる。(この企画は喜田奈那が担当します)