大谷翔平の凄みを示す「396」 “和製ディマジオ”と呼ばれた大打者の「伝説記録」と比較して浮かび上がる異次元さ
歴史的に見ても凄まじいシーズンが間もなく終わろうとしている。大谷翔平(ドジャース)のそれだ。 【動画】大谷翔平、気迫のタイムリー! パドレス戦で見せた咆哮シーンをチェック 昨オフに10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)という天文学的な契約でドジャースに入団して始まった大谷の24年。右肘側副靭帯の損傷の影響、さらに新天地での重圧など、当初は懸念の声も小さくなかったが、蓋を開けてみれば、二刀流スターはその全てを吹き飛ばしたと言えよう。 現地時間9月25日のパドレス戦終了時点での打撃成績は、打率.303、53本塁打、125打点、56盗塁、OPS1.028のハイスタッツ。メジャーリーグでも史上初となる「シーズン53本塁打・56盗塁」も達成し、歴史にその名を刻んだ。 DH選手史上初となるMVPも間違いなしと言われる圧巻のシーズンだ。単に長距離砲であるだけでなく、走塁技術の高さも証明した大谷の凄みは、日本のプロ野球史で見比べても“異質”だ。 無論、日米間の野球スタイルの違いや時代の違い、さらには起用法の変化などがあるため、単純比較はできない。それでも今季の大谷が残している記録が、どれだけ「異次元」なのかは過去の偉人たちと比較するとより鮮明になる。 実は日本球界においても「シーズン50-50」を達成した選手はいない。偉業に最も近づいた選手は、松竹ロビンスに所属していた小鶴誠だ。端正な顔立ちと美しい打撃フォームもあって「和製ディマジオ」と呼ばれた往年の大打者は1950年に51本塁打を記録。これは、セパ2リーグ制開始直後の快挙だったが、盗塁数は28のみに終わっている。 さらに50年の小鶴は塁打数が「376」。NPB歴代最多の伝説的な記録を叩き出しているのだが、今季の大谷はなんと「396」。驚くべきことに20塁打も上を行っているのだ。活躍した時代は異なるが、ただただ愕然とさせられるスタッツである。 往年のレジェンドたちと比べても異彩を放つ大谷。シーズン残り4試合でどこまで成績を伸ばせるかに注目だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]