70歳から90歳までの「20年間」で必要な金額はいくら? 貯金「1000万円」あれば、夫婦で暮らしていける? 老後の支出とあわせて解説
人生100年時代と言われている昨今では、年金を受け取れる65歳からの人生も長くなっています。しかし、それだけの期間に生活費も必要になるので年金や貯蓄だけで生活できるのかを不安に感じている人も多いのではないでしょうか? そこで本記事では、70歳から90歳まで生きた場合に夫婦で1000万円の貯金があれば暮らしていけるのかについて解説していきます。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
生活の基盤となる年金額は月に約23万円
老後の生活の基盤となるのが年金です。国民年金保険料を納めた人は一定の要件を満たすと老齢基礎年金を受け取れます。会社員や公務員で厚生年金保険料を納めている場合は、老齢基礎年金だけでなく老齢厚生年金を受け取ることも可能です。 厚生労働省によると、令和6年度の標準的な年金額は夫婦2人で月に23万483円です。内訳は老齢基礎年金が1人月額6万8000円・夫婦2人で13万6000円、老齢厚生年金が月額9万4483円となります。
高齢者2人のみの世帯の支出は約28万円
総務省統計局の調査によると、65歳以上の高齢者2人のみの世帯の消費支出は平均で25万959円、税金や健康保険などの非消費支出が3万1538円、合計28万2497円です。 年金の収入が夫婦2人で23万483円なので、5万2014円が毎月不足することになります。そのため、標準的な年金額を受け取り、平均的な支出だったとしても年金の収入だけで生活することは難しいことがわかります。 年金以外に収入を増やすために働くことや貯蓄を切り崩していく必要があるでしょう。
ゆとりのある老後生活を送るためには約3800万円必要
70歳から90歳まで生きた場合、月5万2014円、年間62万4168円の不足です。これが20年間続くので「1248万3360円を貯蓄で賄う」ことになります。20年で248万円の不足分は、月約1万円の節約で解消できます。夫婦で貯蓄が1000万円あれば、工夫次第で赤字を出さずに生活することが可能です。 また、生命保険文化センターでは夫婦2人「ゆとりのある老後生活」にいくら必要なのか調査をしています。それによると、日常生活に必要な生活費以外の支出は平均で14万8000円です。これを平均的な消費支出と合計すると毎月の支出は43万497円になります。標準的な年金額は23万483円なので、「毎月20万14円の不足」です。 ゆとりのある老後生活を70歳から90歳までする場合、20年間で4800万3360円が年金以外で必要になります。このことから、年金の収入と夫婦の貯金1000万円では約3800万円が足りません。ゆとりのある老後生活を送るためには、貯金を増やすか働くことも必要になりそうです。