伝説のSF回にトラウマ系ホラーも!松平健『暴れん坊将軍』視聴者の度肝を抜いた「異色回」
数々の有名な時代劇があるなかで、30年以上も放送された人気シリーズといえば、1978年からテレビ朝日系列で放送された『暴れん坊将軍』だろう。1月4日には、17年ぶりの新作『新・暴れん坊将軍』が放送され、大きな話題となった。 ■【画像】17年ぶりの復活! GACKTの色気も凄かった『新・暴れん坊将軍』■ 今回の放送でも登場した俳優・松平健さん演じる暴れん坊将軍こと徳川吉宗が、悪党相手に大立ち回りを繰り広げる痛快なストーリーがウリの作品なのだが、長い歴史のなかには思いもよらぬ展開でファンを驚かせた異色のエピソードも存在している。 今回は『暴れん坊将軍』で視聴者の度肝を抜いた、異色回について見ていこう。
■上様の発見したすい星がまさかの事態に!?「江戸壊滅の危機!すい星激突の恐怖」
江戸時代を舞台とした『暴れん坊将軍』だが、なかにはこの時代劇とSFの要素をミックスさせた、とんでもないエピソードがある。それが『暴れん坊将軍IX』第19話「江戸壊滅の危機! すい星激突の恐怖」である。 物語冒頭、望遠鏡で夜空を見つめていた吉宗だが、そこで赤く光る奇妙な星を見つけてしまう。吉宗は不穏な動きをするこのすい星を警戒するのだが、彼の予想通り、すい星は着実に地球へと近付いてきていた。 吉宗はすい星について詳しく探るため天文学者を呼び寄せる。これに目を付けた悪党たちが天文学者を利用し悪事を企て、結果、これを吉宗が成敗することとなるのだ。 シリーズ恒例の大立ち回りや、悪党を相手にした痛快な成敗シーンなどは今作でも健在。しかし、やはりなんといっても特筆すべきは作中を通して語られるすい星の存在だろう。 このすい星、炎を帯びた巨大な隕石として表現されており、物語冒頭、宇宙空間を疾走する姿はもちろん、なんと後半にはついに地球へと落下し、凄まじい爆発を引き起こす。 これまでとは一変したSF色の強いエピソードなのだが、実は吉宗が天文好きだったり、彼が呼び寄せた天文学者・西川如見が実在していたりと、思いがけない史実が見えてくるのは、なんとも面白い点だ。 時代劇と特撮を融合したその斬新な手法と脚本は多くのファンに衝撃を与え、今もなお語り継がれる伝説回となっている。