阪神・藤川球児監督が若手投手陣に向けた訓示…伝説の左腕、江夏豊氏と同じだった
【球界ここだけの話】阪神・藤川球児監督(44)が新人合同自主トレ初日の視察のため鳴尾浜を訪れた8日、投手陣に基本の大事さを唱えた。 【写真】ベンチで談笑する阪神・岡田彰布前監督と藤川球児監督 「ピッチャーはキャッチボールの一球一球というのを、コーチたちも見ている。そこをおろそかにしなかったら現役が終わるまで、すごく丁寧にやれる」 自らの経験をもとにしたメッセージだ。現役時代は日米通算245セーブをマーク。浮き上がる火の玉ストレートが脚光を浴びたが、外角低めにビシッと投げられる制球力も超一流だった。 「キャッチボールで手を抜くな」 2015年、宜野座キャンプで臨時コーチを務めた江夏豊氏も熱く語っていた。通算206勝193セーブを挙げた伝説の左腕は制球に苦しむ藤浪晋太郎にキャッチボールの大切さを伝え、「もっと全身を使って投げなさい」と苦言を呈した。 だが、レジェンドOBの金言も通じなかった?藤浪はポスティングシステムを利用して23年、米大リーグ、アスレチックスに移籍。環境を変えても課題の制球難を克服できず、昨季はマイナー暮らし。メジャーのマウンドに立つことはできなかった。 8年目の昨季、リーグ2位の13勝(3敗)、防御率1・33(3位)の好成績を残した才木は「タイトルを一つも取れていない。まだまだやらないといけないことが多い」と課題を口にした。150キロ超の直球に、打者の手元で落ちるフォーク。ここに制球力が加われば、鬼に金棒だ。 平田2軍監督は「阪神監督は野手出身がほとんど。投手は星野さん(02年~03年)以来。現役時代はどん底も経験した藤川監督のアドバイスで殻を破る若手投手陣が出てきてほしい」と期待を寄せた。 20年のドラフト1位・西純は昨季未勝利に終わった。同年のドラフト2位・及川も1軍に定着できなかった。ともに課題の一つは制球力。今季から育成契約となった森木(22年ドラフト1位)も含めて、高卒入団で、期待されながら能力を出しきれていない投手はゴロゴロいる。 「競争はいつでもあると思っています」
藤川監督が目を光らせるのはブルペンだけでない。キャッチボールから熱い視線を若手投手に向けるだろう。(三木建次)