小池知事が築地市場の業界団体代表と会談(全文1)市場移転の基本方針説明
築地市場の豊洲市場への移転問題で、東京都の小池百合子知事は22日午後3時半に築地市場を訪問し、市場の業界団体代表らと会談した。 【中継録画】小池知事が築地市場の業界団体代表と会談 移転方針を説明 20日に発表した「豊洲市場に移転し、築地は再開発する」との市場移転の基本方針について説明する。この方針では、築地市場は5年後をめどに再開発し、食のテーマパーク機能を持つ“新たな場”とする一方、豊洲市場は中央卸売市場としての機能に加え、冷凍冷蔵・物流加工機能を強化し、IT活用した総合物流センターにしていくとしていた。
市場移転に関する基本方針についての説明
司会:本日はお忙しい中、また30分という短い時間ではありますが、業界団体の皆さまにはこうしてお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。時間も限られておりますので、早速、知事と築地市場業界6団体の代表の皆さまとの会談を始めさせていただきます。初めに知事よりごあいさつと市場移転に関する基本方針につきまして、ご説明をちょうだいしたいと存じます。知事、お願いいたします。 小池:皆さん、こんにちは。本日は大変お忙しい中、そして急なお呼び掛けにもかかわりませず、お集まりいただきました。誠にありがとうございます。そしてまた平素より、いろいろなご協力を賜っておりますこと、あらためて感謝を申し上げます。そして早速でございますが、市場の移転問題につきましては、昨年の8月、移転延期を判断いたしまして、あれから10カ月がたとうとしております。そしてその間、専門家の皆さま方の知見に基づいてさまざまな検証を行いました。そしてまた検討も進めてきたところでございます。そして4月からは市場のあり方戦略本部という形で市場そのものも全体、在り方から考えようということで総点検を行ったところでございます。こうしたさまざまな検証、総点検の結果を踏まえまして、おとといでございますが、基本的な方針をお伝えしたところでございます。 皆さまとは、今年の1月にこの場で同じようにお目に掛かって、ご意見を拝聴させていただいたところでございます。それからまた先週土曜日でございますけれども、講堂のほうに伺いまして、皆さま方と意見交換もさせていただき、またその際にこれまで議会や都庁がお約束してまいりました、無害化ということについては、残念ながらそれは達成されていないということで、おわびをさせていただきました。そしてまた事業者の皆さま方からいろんなご意見もその際、伺ったところでございます。そのときのご意見も踏まえまして今回、基本的な方針を取りまとめるに至ったという次第でございます。 何よりも移転を延期するということ。それから、その間にさまざまなことが明るみに出たりして、皆さま方にも大変、ご不安、ご心配をお掛けしたことかと存じます。そしてそれを踏まえまして、今後どうすべきかということで、私自身、基本的な方針で述べさせていただきましたが、皆さま方からご意見もまた拝聴いたしまして、そしてこれからこの基本方針に沿った形で、皆さま方と共にさらに共同作業を続けていきたいと思っております。 ここに至るまで、いろいろと齟齬があったことにつきましては、おわびを申し上げますが、しかしながら将来に向かってこの市場をより活用をし、生かしていって、そして守るものは守っていくということを皆さま方と共に進めていきたいと考えております。 そして基本方針として示させていただいたポイントはいくつかございますけれども、豊洲の市場につきましては、専門家会議で取りまとめていただきました追加対策。これにつきまして、追加の工事を実施するということでございます。そして先ほど、関係する4人の副知事と、関係する9つの局がございますけれども、全員集まりまして、そしてその上で、先ほど追加工事につきましては8カ月間かかりますけれども、例の地下空間をコンクリートで覆うという、その方法を取ろうではないかということで、先ほどその会議にて決定をさせていただいたところでございまして、しかるべき必要のあるこの手続きを取った上で、その追加工事を行っていくということでございます。 それから豊洲市場につきましては、築地市場からの移転を実施した上で、中央卸売市場として運営をしていくということといたします。この点についてまず基本的方針として述べさせていただきました。そして今、申し上げましたように豊洲市場の用地の土壌汚染については、これまで多額の費用を費やして対策を講じてきたわけでございますが、土壌、地下水、環境基準の以下にするという目標は達成できていませんけれども、今、申し上げたような追加対策工事を図り、そして地上の安全を万全にするということと、正確な情報の発信を通じて、そして情報をさらに公開をして、皆さまの理解を得ていきたいと考えております。 それからご懸念の風評被害につきましては、今申し上げましたように情報は徹底して公開をしていく。そして私自らがその払拭に努めていくということで、先頭に立ちたいと、このように考えております。それから今後移転に向けました環境を整えるという点では、以前にロードマップをお示ししたとおりでございまして、先ほど申し上げた追加の対策工事、それから必要な環境アセスの審議など、手続きがございますので、それについては早急に取り組んでいく所存でございます。 それから実際の移転、開場に向けましては、皆さま方とのご理解をさらに深めるということが必要でございますし、さまざまな挑戦もございます。今日5月と具体的なのが出ておりましたけれども、新聞には出ておりましたが、何よりもそれが必要でございまして、その時期につきましては皆さま方とご相談、調整をさせていただきたいと考えております。その点どうぞご理解、そしてご協力の程、よろしくお願い申し上げる次第でございます。 それから築地市場につきましては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの輸送拠点として活用するという予定、これについては皆さま方のほうが以前の移転をお決めいただいた際にすでにご理解をいただいている点でございますけれども、環状2号線につきましても同様でございます。大会までに地上部での整備を完成すると、環状2号線につきまして。ということで、2020年の東京大会の、この成功に向けましても状況を考慮しながら進めていきたいと、このように考えております。 なお築地市場のロケーションでございますが、土地につきましては売却をすることなく、保有をいたしまして、そしてこれはこれからの計画でございますが、5年後をめどとして再開発をして、食の文化をこの地からも発信をしていくということで、機能を有する場として考えております。その際は場外であるとか、お隣の浜離宮であるとか、さらに一体的な再開発、もちろんいろいろと条例等の制約はございますけれども、この素晴らしいロケーションをより生かしていくということを考えております。 それから将来的、築地に戻りたいという意思を持った方もたくさんおられるわけでございまして、その皆さまへの気持ちに応えるために市場機能を確保するために方策につきましては、さまざまな卸売市場の今、法律改正なども視野に入っているということもございますので、あらゆる方法を考えていきたいと考えております。 それから豊洲市場、あっちいったりこっちいったりで恐縮でございますけれども、豊洲市場は中央卸売市場でございます。そしてそこには冷凍、冷蔵、さらに物流、加工の機能を強化するといった点で、むしろ将来的にさらに総合物流拠点として中央卸売市場はもちろんでございますけれども、総合物流拠点として発展をするという、そのことを視野に入れていきたいと考えております。こうした築地再開発、そして豊洲市場の利用という具体策につきましては、まだまだ詰めなければならない点は多々ございます。そういう中で事業者の皆さま、そして都民の皆さまからご意見、アイデアも募ってまいりまして、広く情報を公開しながら検討を進めてまいりたいと、このように考えております。そして事業者の皆さまから信頼を1日も早く回復できるように、努力をしてまいりたいと考えております。 以上、先日、私が締めさせていただきました基本方針について、主な内容をお伝えしたところでございます。そしてまた、先ほど申し上げましたように、4人の副知事、そして関係局長を招集いたしました会議を開催いたしまして、この方針に基づいて行政の組織としてどこの局が何を担当し、そして何を決めていくかということで、確認をするための会議を行いました。そして速やかに取り組みを進めるように私のほうからも指示をしたところでございます。 よってこの豊洲市場、そして築地の再開発についての都庁の組織が一丸となって、一体となって取り組んでいきたいと、このように考えております。そして何よりも実際に日々の市場運営に携われている皆さま方にご理解をいただき、ご協力をいただき、物事を進めていかなければならないと考えている次第でございます。そしてまた消費者である都民の皆さま方のご意見なども多々入れながら、そして情報はオープンな形でこれからも進めてまいりたいと、このように考えております。 私のほうからのご報告とご協力のお願いでございます、ありがとうございます。 【連載】小池知事が築地市場の業界団体代表と会談 全文2へ続く