愛知の若者が千枚田を修復 輪島で観光中被災、孤立が縁で住民と交流 重労働「あぜ直し」など6時間
輪島市白米(しろよね)町の国名勝「白米千枚田」を観光中に能登半島地震に遭って一時孤立した愛知県内の若者7人が10日、輪島を再び訪れ、地震で傷んだ千枚田の修復作業を手伝った。元日は地震で道路が寸断し、5日間にわたって住民と協力した縁で交流が続いている。重労働の「あぜ直し」などに6時間にわたって汗を流した一行は「千枚田は思い出の地。今後も協力したい」と誓った。 元日は20代の男性8人のグループで千枚田を眺めていた。地震が起きた際は「世界が終わったのかと思うほど」強烈な揺れに襲われた。土砂崩れで道路が途切れて移動できなくなり、5日になってようやく、隆起した海岸の上を歩き、愛知から迎えに来た知り合いの車で帰宅した。 この間、住民と協力して湧き水をくみに行ったり、野菜やサザエなどを調理したりして苦楽をともにした。住民との絆が生まれ、地震で亀裂が入った千枚田の修復を手伝うことになった。 一行は白米千枚田愛耕(あいこう)会(かい)の白尾友一代表(60)らと崩れたあぜを作り直す作業に励んだ。千枚田は原則、災害復旧事業を担う業者と愛耕会メンバーしか作業できないが、ボランティアらに愛着を持ってもらうよう、復旧事業対象外の田んぼが約100枚あり、10日はこの田んぼで作業が行われた。 平川龍和さん(23)=愛知県安城市=は「正月にお世話になった人と会えて良かった」と話し、水野翔太さん(24)=同県知立市=は「また千枚田を見に来たい」と語った。