“迷惑スケートボーダー”を直撃 専用パークに行かず“禁止エリア”で滑走するワケ…新潟市は規制強化を検討
新潟署管内では今年10月末までのスケートボードの迷惑行為に関する通報が去年より多い1222件に上っていて、多い日には一晩で十数件の通報が寄せられているという。 その一方で、通報を受けて駆け付けた警察官が迷惑行為の当事者に行えるのは、「指導」にとどまっているのが現状だ。
中島地域官は「条例には、はっきりと”スケートボード禁止”と書かれていないので、正直なかなか強めにその場から立ち去らせたりということまではできないのが現状」と話す。 現在の新潟駅前広場条例では、「施設または設備を汚損する恐れのある行為をすること」を禁止行為に定めていて、具体的に「スケートボード」が禁止行為として明記されていない。
ただ、駅前広場のベンチにはスケートボードによるものとみられる傷が多数見受けられた。こうした迷惑行為がもたらすのは規制の強化だ。
市議会で規制強化を検討
新潟市の9月市議会では、新潟駅前での禁止行為にスケートボードなどを具体的に明記し、違反者の入場の禁止や退場を命じられるようにする条例の改正案について議論。来年4月の施行に向け、検討が進んでいる。 新潟市の佐久間なおみ中央区長も「本市の顔・玄関口である新潟駅前広場での迷惑行為は、都市のイメージダウンにつながることから、安全で快適な利用環境を確保し、美しい駅前広場を維持するため、これまでの取り組みをさらに強化するとともに新潟駅前広場条例の改正についても検討を進めてまいります」と答弁している。
スケートボーダーの本音も「楽しめる場所少ない」
その一方で、今年7月にオープンしたスケートパークの利用者も「迷惑行為はやめるべきだ」としながらも、スケートボードを楽しめる場所が少ないということも感じているようだ。 「日本人の活躍がすごい。その割に、競技ができる場所がまだ少ないという面もある。それは言い訳にはならないが、お互いが歩み寄って行ければいいのかなと感じる」 「公共の場を勝手に無断で使ったりするのはよくないと思うし、ルールを守ってスケボー文化を発展させていくというのがいいと思う」
規制の強化とともに、市議会では「新潟駅前にもスケートボードを楽しめる場所を設置してはどうか」といった意見も出されているが、「ルールを無視し、注目を浴びたいだけの若者もいる」として慎重な姿勢を崩さない新潟市。 スケートボードをより身近な競技にするためには、ルールを守った上で環境の整備を求めていくことが重要と言えそうだ。