新型スバル クロストレックは“令和のレオーネ”だ!!! コスパに優れたコンパクトSUVに悪路で迫る
オールシーズンのドライバーズカー
運転性能はかなり高い。これまで私は、クロストレックに乗る機会が何度もあった。市街地や高速をはじめ、サーキット、千葉のゆるやかなワインディングロード、佐渡の山岳路、といった具合。そこに雪山がくわわった。 クロストレックの美点は、どんな道でもドライバーを選ばないところにある、というのが、これまでの試乗を通しての私の印象だ。つまり、年齢、性別、ドライビングの経験の長さに関係なく、楽しめるクルマであると思う。 上記のさまざまな道と同様、ドライブを楽しめた。水平対向4気筒エンジンをはじめ、車体の重心高を下げていることで高速では安定しているし、カーブを曲がるときのハンドル操作に不安感がない。 低回転域から力が出るうえ、アクセルペダルに載せた足の力の入れ方と力の抜き方、その微妙な加減にエンジントルクがついてきてくれるので、自分の意思どおりにクルマが走ってくれる感覚がある。これが安心感につながるのだ。 青森市内の積雪はごくわずかだったが、八甲田へと向かううちに、雪がだんだん深くなっていった。路面も乾いていたものが、山のなかでは真っ白に。ところどころで凍結も見られた。 クロストレックは、AWDシステムの恩恵とともに、路面のグリップ力が高いスノータイヤのおかげもあって、まったく不安なく(ドライ路面と同じようなペースで)走っていけた。けっこうスポーティだなぁ、と、思っていたステアリングだが、雪上では落ち着いた操舵感覚で、操りやすいのを発見した。 室内は大人4人に十分な広さ。荷室も小旅行には十分な容量が確保されている。つまり、オールシーズンのドライバーズカー。どんなドライブにも応えてくれる素質を持っていたのだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)