「手を汚さず言葉巧みに」裁判長が断罪…霊媒師になりすまし殺害に誘導
去年4月、宮城県柴田町の住宅で、住人の村上隆一さん(当時54)を殺害した罪などに問われている村上さんの次男・村上直哉被告(26)と長男の妻・村上敦子被告(48)の裁判で、仙台地裁は25日、敦子被告に懲役28年、直哉被告に懲役20年の判決を言い渡しました。 【画像】「手を汚さず言葉巧みに」裁判長が断罪…霊媒師になりすまし殺害に誘導 ことの始まりは16年ほど前、敦子被告と直哉被告の実母が、出会ったころにまでさかのぼります。 検察側によりますと、敦子被告は、パチスロ店で知り合い、親密になった直哉被告の実母に売春を強要し、その金を巻き上げていたといいます。 検察側 「敦子被告が一家を支配していて、美人局による詐欺行為も行っていた」 その後、実母は逃走を決意し、相談したのが隆一さんでした。 検察側は、事情を知った隆一さんの“口封じ”を狙ったなどとしています。
どうやって殺害したのでしょうか。 初公判で明らかになったのが、霊媒師JUNの存在です。 検察側は、敦子被告がLINEでJUNになりすまして、殺害を指示したと主張。弁護側は、JUNと敦子被告は別人としていました。 仙台地裁・宮田祥次裁判長 「敦子被告がなりすました霊媒師JUNという人物により、敦子被告には呪いがかけられていて、その呪いを解くには、隆一さんを殺害するしかない。そう直哉被告に思い込ませ、実行させた。直哉被告は、2020年ごろから、霊媒師JUNと連絡を取り合っていたところ、身の回りに起きた出来事を言い当てたことなどから、折に触れて、アドバイスを求めるようになっていった」 直哉被告は、隆一さんの殺害を認める一方で、「霊媒師JUNに直接指示されたわけではなく、会話を自分なりに解釈して、隆一さんを殺害した」と主張していました。 仙台地裁・宮田祥次裁判長 「霊媒師JUNから敦子被告経由で、“呪いが解けなかった”という連絡があったことは、直哉被告を隆一さん殺害に向かわせることは明らかである」 弁護側が、霊媒師JUNと敦子被告は別の人物だと主張していたことに対しては、敦子被告が普段使っている携帯電話の通信回線を利用して、直哉被告にメッセージを送っているなどとし、信用できないとしました。 仙台地裁・宮田祥次裁判長 「事件の首謀者として霊能力者になりすまし、言葉巧みに殺害に誘導して、自らの手を汚さないように実行した」
テレビ朝日