【小倉2歳S】中京コース経験と血統的適性を評価 京大競馬研の本命はエイシンワンド
前走先行した馬を評価
9月1日(日)に中京競馬場で小倉2歳S(GⅢ)が行われる。小倉の未勝利戦を好タイムで逃げ切ったレイピアや、中京の新馬を勝ったエイシンワンド、函館2歳S3着のエンドレスサマーなど13頭が揃った。 【新潟記念2024 推奨馬】単複回収率100%超えデータ2つに該当! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 今年は高松宮記念と同じコースで開催されるため、ここから2年後の高松宮記念に出走する馬が現れるかもしれない。近2年の勝ち馬は現状あまり出世できていないが、今年の出走馬はここからどんな活躍を見せてくれるだろうか。今回は新馬戦の内容を重視して予想していく。 まず過去10年の前走脚質別成績を調べた。前走で逃げた馬は【2-3-4-41】複勝率18.0%で複勝回収率も60%と低い。スピードを見込んでここに出走するものの、ほとんどが前走とは違う脚質になるため、力を発揮できない例が多い。昨年も同様の内容を書き、実際前走逃げた馬は全て掲示板外に敗れた。今年はアーリントンロウ、クラスペディア、ジャスパーディビネ、ホウオウブースター、レイピアが該当する。この中でも特に逃げしか経験していないクラスペディア、ジャスパーディビネ、ホウオウブースターは軽視したい。 好走馬のほとんどが該当する前走先行は【8-5-6-43】複勝率30.6%、複勝回収率122%。ベタ買いでもプラス収支なのは驚きだった。本来の実力がまだ判明しておらず人気薄、といった馬の激走が多い。 夏の2歳重賞に共通する悩みではあるが、新馬戦ひとつのみで出走馬の全能力を把握することは非常に難しい。さらに今年は中京開催であるため、小倉のデータが全く使えないことも苦しい。馬券は前走先行していい経験を積んだ馬を手広く買うか、分からないと割り切ってパスするかの二択を推奨する。
中京経験のある馬を上位評価
◎エイシンワンド 前走中京の新馬戦は前を行くクラスペディアをきっちりかわして勝利。後ろは完全に引き離しており、明らかに実力が抜けていた。中京の経験があることもプラス評価だ。また当馬の父ディスクリートキャットはダート重賞勝ち馬のエアハリファや重馬場のアーリントンCを勝って稍重のGⅠ・3着があるオオバンブルマイなどを輩出した馬。血統的には雨も歓迎だろう。月曜時点の想定オッズは中穴程度で非常に妙味があったが、流石に能力上位がバレてきた。新馬のタイム、血統から当然のことではあるが、もう少し人気薄の状態で買いたかった。 ◯ポートデラメール 京都の新馬戦を勝って3ヶ月ぶりの実戦となる。勝ちタイムに特筆すべき点はないが、稍重馬場での勝利であり、雨の経験があることを評価した。スローペースで参考記録扱いではあるが、上がり3F33秒8を使えたこともプラス。先行馬が崩れる展開になれば1着もあるだろう。 ▲タマモティーカップ 前走の勝ち時計1分9秒2は今回のメンバー内では上位。その前走は外から先行馬を楽にかわしており、まだ余力のありそうな走りだった。左回りに対応出来れば上位印と差のない競馬ができるだろう。人気薄が想定され、複勝でも配当が望める1頭だ。 △エンドレスサマー 函館2歳S3着馬。内を上手く利用して展開にも恵まれたが、逃げ馬をかわせず外からも差されており、重賞では力不足だった。しかし今回も前走から一気に相手が強化された印象はなく、再度、展開に恵まれれば前走と同じくらいの着順は期待できる。 消レイピア おそらく1番人気になると思われるが、消しとしたい。京都最終週の新馬戦は手応え劣勢、小倉開幕週の未勝利戦で圧勝しており、現状はきれいな馬場が良さそうだ。今回は雨予報かつ4週目の中京はマイナス。また父タワーオブロンドンは稍重以上の馬場では全く走らず、GⅢでもあっさり敗れるほどだった。産駒の適性が重馬場には向いていない可能性もあり、割引が必要だ。良馬場で見直したい。 馬券はエイシンワンドの単勝と馬連流し3点で勝負する。(文:福山) 小倉2歳S 予想印 ◎エイシンワンド ◯ポートデラメール ▲タマモティーカップ △エンドレスサマー ライタープロフィール 京都大学競馬研究会 今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
京都大学競馬研究会