モータースポーツも視野に入れたEV「ヒョンデ IONIQ 5 N」がまず限定50台で販売に
購入特典にニュルブルクリンクでのイベント招待も
2024年4月25日、ヒョンデモビリティジャパン(Hyundai Mobility Japan)はハッチバックEVのIONIQ 5をベースにした新たなスポーツモデル「IONIQ 5 N」を日本市場で発表。まずは50台限定のファーストエディションを発売するという。車両価格は900万円前後になる見込みだ。 【写真】限定発売となる「ヒョンデ IONIQ 5 N」を詳しく見る ヒョンデのモータースポーツブランド「N」は、WRCやニュルブルクリンク24時間レースなどで活躍するとともに、ここで培われた技術を市販車両にフィードバックしたスポーツモデルを投入してきた。従来のNモデルたちはいずれもエンジンを搭載したモデルのみだったが、2023年7月、英国で開催された自動車文化の祭典グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場した「IONIQ 5 N」は、Nブランド初のEVだった。 全長約4715mm全幅1940mmの比較的大きなサイズのハッチバックボディに、軽量化や空力特性を向上させる専用のエクステリアデザイン、操作性やドライバー姿勢を向上させるインテリアデザインはもちろんのこと、独自開発されたパワートレーンとサスペンション制御技術、ドライブモードなどを搭載して、モータースポーツをリアルに楽しめる仕様になっている。 Nブランドモデルのコンセプト「Corner Rascal(コーナーリングを楽しむ)」と「Race Track Capability(本気でサーキットを走れる性能)、「Everyday Sportscar(高性能を毎日愉しめる)」を具現化するため、モーターを前後にふたつ(ブースト時、システム総合650ps/770Nm)搭載した4WDとし、またリア左右輪の駆動力を配分するe-LSDを採用してグリップ性能を最大化している。 またホイール加速度センサーや6軸ジャイロセンサーを駆使して走行状況に合わせて可変するサスペンションのダンパー制御、大口径4ピストンブレーキ(前)と回生ブレーキを組み合わせて最大0.6Gを実現する制動システムなど、姿勢制御技術も満載する。 興味深いのは、前後駆動力配分をドライバーが直接設定できる「N トルクディストリビューション」や、クローズドエリアでドリフト走行を行うための制御を組み込まれた「N ドリフトオプティマイザー」、アクセルとブレーキふたつのペダルを同時に操作することをある程度許容する「レフトフットブレーキング」などといった、スポーツ走行を見据えた機能が専用に搭載されていることだ。このほかにも、ドライバーを楽しませるシステムは多い。 このスポーツモデルの日本での一般発売を前にして、50台の限定車「IONIQ 5 N First Edition」が発売される。2024年4月25日~5月30日の期間で先行申し込み受付が行われ、販売価格は900万円前後が予定されている。 専用のスカッフプレートやフットレストなどの装備を装着するほかに、ドイツ・ニュルブルクリンクで開催されるイベントへの招待という特典もあるという。 【主要諸元 ヒョンデ IONIQ 5 N】 ・全長×全幅×全高:4715×1940×1625mm ・ホイールベース:3000mm ・車両重量:2210kg ・モーター:交流同期電動機×2 ・最高出力:前175kW/後303kW ・最大トルク:前370Nm/後400Nm ・システム総合最高出力:478kW/650ps(ブースト時) ・システム総合最大トルク:770Nm(ブースト時) ・バッテリー総電力量:84.0kWh ・WLTPモード航続距離:448km ・駆動方式:4WD ・タイヤサイズ:275/35ZR21