子宮頸がんワクチン副反応を初調査 岡山大 6割が接種部位に痛みも、大半「コロナより軽い」
効果とリスク理解し判断を 岡山大病院産婦人科・小川医師
子宮頸がんを予防するため、国が定期接種としているHPVワクチン。接種するかどうかは本人や保護者の判断に委ねてられているが、世界保健機関(WHO)は「ワクチンと検診で子宮頸がんの撲滅が可能」として接種を推奨。岡山大病院産婦人科の小川千加子医師は「効果とリスクの正しい知識を知ってほしい」と呼びかける。 ―子宮頸がんの原因は。 主にHPVウイルスだと分かっている。性的接触によって大半の女性が感染し、段階を経て一部の人ががんに進行する。国内では年間約1万1千人が発症して約3千人が死亡。子育て世代である20~40代の罹患(りかん)が増えており「マザーキラー」という悲しい別称がついている。 ―予防として有効なのがワクチンと言われている。 現在主流となっている「9価ワクチン」は原因ウイルスの9割をブロックできるとされる。最も効果があるのは性的接触を行う前だ。 ―ワクチンの副反応を不安に思っている人は少なくない。 他のワクチンと同様、副反応は多くの人に起こるが大半は数日内に消失する。長引く場合や症状が重い場合は、かかりつけ医から相談を受けた岡山大病院などが対応する体制が整っている。不安や疑問に応じる自治体の相談窓口もある。 ―岡山県内の2022年度の接種率は63・8%だ。 若い世代を子宮頸がんから守るため、さらなる普及を期待したい。「ワクチンを知らなかった」や「後回しにしていたら有効な時期を過ぎていた」ということがないよう、選択肢の一つとしてしっかりワクチンを理解し、考えてほしい。