音楽やスポーツ“入り口” 核兵器廃絶と平和実現・地球市民フェス 長崎スタジアムシティで開幕
国籍や世代を超えて核兵器廃絶と平和の実現を目指す「地球市民フェス2024」が23日、長崎市幸町の長崎スタジアムシティで開幕する。2000年以降にシンポジウム中心で開かれてきた集会を一新。音楽やスポーツを“入り口”に幅広い市民が参加しやすい形に変えた。主催団体トップで被爆者の朝長万左男さん(81)は核兵器廃絶への糸口を探る「対話のフェスに」と意気込む。24日まで。 非政府組織(NGO)の「核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会」(朝長委員長)が主催し7回目。18年の6回目までは「核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」と題し、国内外の有識者や市民らが参加する講演や分科会が主体だった。参加者は多い時で6千人を超えたが、近年は半数程度に落ち込んでいた。 「非常に意味のあるシンポジウムだが、市民全体に広がっていない」。そう懸念した朝長委員長は、被爆3世で若い世代の平和教育などに携わる林田光弘さん(32)と連携。昨年から企画会議を重ねてきた。 今回は、核兵器や戦争を語るトークイベントや、被爆者と対話するワークショップが開かれるのと同じ空間で、音楽ライブやグルメ、スポーツも楽しめる仕掛けにした。「地球市民という言葉は、全ての人が核兵器をなくすための当事者という考え方。集会の趣旨は変えずに、より多くの人が参加しやすい催しに変わっていく必要があった」と林田さんは語る。 メイン会場となるハピネスアリーナ内では22日、前夜祭が開かれ、大石賢吾知事や鈴木史朗長崎市長らが出席。朝長委員長は取材に「今回はオムニバス形式で同時進行なので、楽しみを選べる。まずは今の平和を実感し、核兵器廃絶に向けた次のステップを考えるきっかけにもしてほしい」と願った。