銀座のくら寿司は何がすごい? 店内で屋台を再現、“ユニクロ寿司”も
2024年4月25日、くら寿司は国内6店目のグローバル旗艦店を東京・銀座にオープンした。5つのグローバル旗艦店と同様、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がプロデュース。新店舗では歌川広重の浮世絵の世界を再現した屋台などを設置。インバウンド(訪日外国人)客も狙い、新たな「食のエンターテインメント」を目指した。 【関連画像】「くら小江戸」と呼ぶスペースには屋台があり、すしや天ぷら、団子をライブパフォーマンスのように提供していく 新店舗の名称は「くら寿司 グローバル旗艦店 銀座」(以下、銀座店)で、東京メトロ銀座駅の出口から徒歩3分の距離にある商業施設「マロニエゲート銀座2」の7階にある。 同ビルの1階から4階には、同じく佐藤可士和氏がプロデュースする、ユニクロのグローバル旗艦店「UNIQLO TOKYO」もあり、今回はくら寿司とユニクロのコラボレーションも推進している。 これまでのグローバル旗艦店でも、日本の伝統文化と現代のエンターテインメントを掛け合わせた空間デザインをつくってきた。「日本の伝統美」が特徴で、縁日のスペースやスイーツの屋台、デジタル技術を生かした射的ゲームなどを設置。それぞれの店舗でしか体験できない仕掛けを実施してきた。 ●今回は花火などをデジタルで演出 様々な取り組みが評価され、「くら寿司 浅草ROX店」と「くら寿司 原宿店」は「Red Dot Design Award 2022」のBrands & Communication Design部門で最優秀賞に相当する「BEST OF THE BEST」を獲得。「くら寿司 原宿店」と「くら寿司 押上(スカイツリー前)駅前店」は、建築関連の「ICONIC AWARDS 2022」のインテリア部門で「Selection」を受賞している。 いずれも、くら寿司のイメージや世界観を保ちつつ、各店舗のユニークな点や独創性を表現しているデザインが評価された。 こうした姿勢は、銀座店でも発揮されている。「歌川広重の浮世絵を再現し、食をテーマにしたエンターテインメントをつくろうと思った」と佐藤氏は銀座店オープンの記者発表会で語った。 具体的には、歌川広重の浮世絵「東都名所高輪廿六夜待遊興之図」に描かれた江戸の屋台を再現した「くら小江戸」と呼ぶスペースを新たに設置している。 壁にはデジタル技術で表現した花火やちょうちん、柳の木で夜の江戸を演出している。すぐそばに3台の屋台があり、すしや天ぷら、団子をライブパフォーマンスのように提供していく。端末から注文し、出来上がると知らせてくれるため、並んで待つ必要はない。 ●ユニクロとのコラボメニューを用意 ユニクロとのコラボレーションも注目だ。特別限定のロゴ「ユニくら」を佐藤氏が作成。コラボ商品としてTシャツやトートバッグなどを用意し、UNIQLO TOKYOで期間限定で発売した。 また、くら寿司の国内グローバル旗艦店でも、ユニクロをすしで表現したメニュー「ユニくら寿司」などを期間限定で発売した。ユニくら寿司は海苔の代わりに「ふり塩熟成まぐろ」で巻いた、いくらの軍艦巻き。赤い色がユニクロを象徴しており、今までになかった新感覚のすしといえそうだ。
中村 仁美