「本人にバレるよ」北見市職員5人のパワハラ被害相談“取り下げ”促し問題に...市側の説明二転三転 “隠ぺい”との声も
北見市長が一転「第三者委員会を置く」、批判受け方針転換か
「個別の状況についてのご質問でありますので、関係者のプライバシー保護の観点から、その点について私から申し上げることはできない」 辻直孝北見市長は23年7月の定例記者会見で、記者からの質問に対して明言を避けた一方、会議録作成については「昨年、すでに見直しを指示し、見直し後は会議録を作成している」と答えた。また、調査は市だけの調査のみ行うとし、第三者委員会での検証は否定していた。 ところが、市民らからの批判が相次いだのだろうか、一転、同年8月の記者会見ではそれを覆し、第三者委員会を設置して「(判断を)委ねることが適当だと判断」したと述べた。翌月の会見では第三者委員会の開催見込みについて、同年10月以降になるとの見解を示した。
第三者委員会「パワハラ行為の検証」検討の可能性も
弁護士らで構成される「ハラスメント事案への市の対応に関する第三者調査委員会」の第1回と2回目は23年12月6日と同月18日、24年1月18日には3回目が開かれている。 第三者委員会の設置要綱では、あくまでも市側の対応は適切だったか。それを確かめるために第三者委員会を設置すると説明している。しかし、出席した委員からは「そもそものパワハラ行為」についても検証することを検討する可能性がある見方を示したほか、23年12月18日には、新しく2件の不当な扱いがあったことが判明している。
北見市「回答控える」とコメント、ハラスメントはどう検証されるか
1月18日の第3回委員会では、申し立てを行った職員が提出していた資料を配布したが、いまだに動きは見えない。北見市の担当者は、本稿記者の取材に対し「プライバシーに関わることでもある。回答は控えさせていただく」と一切の回答を拒否した。 全国で相次いで報告されているハラスメント問題。訴えやすくなったと見るべきか、過剰反応と見るべきか意見は分かれるだろう。ただし、批判を受けて対応を変えるなど問題発覚からの経緯を見る限り、今回の北見市の対応はあまりにもお粗末と言わざるを得ない。今後の第三者委員会の検証がどのように進むのか注目したいところだ。
小林 英介