ぜひウチへ! 現在フリーの外国人監督10人。元日本代表監督にJリーグを魅了した男も
監督交代はチームの状況を大きく変える大チャンスである。欧州主要リーグも2023/24シーズンのおよそ半分が経過、そして直近のインターナショナルマッチウィークの結果により監督人事に揺れている代表チームもある。今回は今すぐに招聘が可能な現在フリーの立場にある世界有数の監督10人を紹介する。
ヨアヒム・レーヴ(ドイツ) 生年月日:1960年2月3日 前職:ドイツ代表監督 東西統一後のドイツ代表を率い、最も成功を収めてきた監督はヨアヒム・レーヴだ。実に15年間、198試合で指揮を執り、2014年のブラジルワールドカップ制覇を筆頭に輝かしい成績を残している。 2006年、レーヴはユルゲン・クリンスマンの後を継ぐ形でドイツ代表監督に就任した。その後、ボールポゼッションを基調としながらシステムや選手配置のバリエーションを増やすことでマンネリ化を回避し、年を重ねるごとに自らが志向するサッカーをアップグレード。それがブラジルW杯制覇や、後の長期政権につながったとも言える。 しかし、ブラジルW杯を制した後、ドイツ代表は衰退。2018年のロシアW杯でグループリーグ敗退に終わると、2021年のEURO(欧州選手権)ではイングランド代表にあっけなく敗れベスト16で姿を消した。そして同大会後にレーヴはドイツ代表監督を退任。後に同指揮官はポッドキャスト『Spielmacher』に対し「あれほど長い間ひとつの目標(W杯)に向かって挑み、それを成し遂げたことで自分の中に一種の空虚感があったんだ」と振り返っていた。 レーヴがドイツ代表監督の座から降り、すでに2年以上が経過している。その間に様々なクラブや代表チームへの監督就任が噂されたが、いずれも実現することはなく、今も同指揮官はフリーの身だ。ドイツ代表を率い世界の頂点を経験した男が新たな挑戦を決断する時はいつなのか。
アントニオ・コンテ(イタリア) 生年月日:1969年7月31日 前職:トッテナム監督 ユベントス、イタリア代表、インテル、チェルシー、トッテナム…。名だたるチームで結果を残してきたアントニオ・コンテ監督も、現在フリーの状態だ。 コンテのトレーニングは世界でもトップクラスにハードなことで知られている。トッテナム時代には韓国遠征において超ハードなランニングメニューを強いられた選手たちが次々とピッチに倒れ込む姿が話題に。この時、エースだったハリー・ケインは思わず嘔吐し、デヤン・クルゼフスキはトレーニング開始から間もなくして足に問題を抱えリタイアしていたようだ。 選手たちにとってはたまったものではないが、そのハードなトレーニングがあるからこそ、彼のチームは強くなる。とくに強固な守備からの縦に速い攻撃はコンテ・サッカーの特徴で、これまで監督として594試合を指揮して567失点に抑えており、一方で得点数は「1068」にも及んでいる(データは『transfermarkt』を参照)。 しかし、ピッチ外では危険な「毒」を持っているのもコンテの特徴だ。チェルシー、インテル、トッテナムでもそうだったように、とにかくこの男はフロントとよく揉め、それが原因でクラブとの関係を悪化させてしまう。手腕は確かなものがあるものの、クラブがコンテを新監督に迎えるにはそれなりのリスクも覚悟しておかなければならないだろう。