あなたの知らない札幌《市中央図書館》後編 90万冊の3分の2は読めない?
ビジネスユースに特化したスペースも
札幌市中央図書館が中心となって、今2つの新しい施設の準備を進めています。 まず一つ目が、今年11月7日にオープン予定の「札幌市えほん図書館」(仮称・札幌市白石区)。この施設には絵本のみを2万冊近くをそろえ、幼児とその親御さんの利用に特化した情報を発信していきます。もう一つが2018(平成30)年開設予定の「札幌市図書・情報館」(札幌市中央区)。こちらはビジネスマンの利用に特化した図書館で、ビジネス書籍のみを置きます。また、コワーキング・コミュニケーションスペースや、仕切りのある閲覧席を設置し、ビジネスマンが調査・相談できる「都心にふさわしい知的空間」を目指します。実は、出版されている書籍の中で一番多いのは、ビジネス向けの社会科学系なので、そこに特化するという形です。 いずれも図書館が時代のニーズに合わせて、市民の生活・仕事にどれだけ貢献できるかをコンセプトに準備を進めています。やはり、図書館の本分は「蔵書を有効利用してもらうこと」。そのためには、幅広い蔵書を用意するという価値を崩すことなく、どれだけ市民の役に立つ発信ができるかが、今後の図書館が目指す姿だと思います。