『オッペンハイマー』で主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィー

現地時間3月10日(日本時間3月11日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催中の第96回アカデミー賞授賞式。助演男優賞に輝いたのは、クリストファー・ノーラン監督作『オッペンハイマー』(3月29日公開)のキリアン・マーフィーで、初ノミネートにして初のオスカーを手にした。 【写真を見る】タキシードがかっこいい！第96回アカデミー賞にて主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィー ピューリッツァー賞受賞小説を原作に、第二次世界大戦下に世界の運命を握った天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を描く本作で、マーフィーは、主人公のオッペンハイマーを演じた。本作は第96回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞など最多13部門にノミネート。すでに、第81回ゴールデングローブ賞では、監督賞、ドラマ部門作品賞のほか、ドラマ部門主演男優賞、助演男優賞、作曲賞と最多5部門を受賞。第77回英国アカデミー賞(BAFTA)でも、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、撮影賞、編集賞、作曲賞の最多7部門を受賞し、実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位の世界興収を更新中だ。 マーフィーは、ロバート・ダウニー・Ｊｒ.やエミリー・ブラントとハグをしたあと、ステージに上り「アカデミー賞の会員の方々、皆さんに感謝します。そしてクリストファー・ノーランと、エマ・トーマスにも感謝します」と語り、ノーラン監督夫妻に心から礼を述べ「本作はスタッフ、キャストの皆さまのおかげで、主演男優賞という賞を成し遂げることができた賞です。すばらしいチームに感謝します。そして、マーフィー家の人々、パートナーのイヴォンヌ・マクギネス、子どもたちにも感謝していますし、アイルランド人としても誇らしく思っています」と感無量の表情で語った。 マーフィーはノーラン監督が絶大な信頼を置く常連俳優だ。『バットマン　ビギンズ』(05)ではスケアクロウ役を演じ、続編『ダークナイト』(08)、『ダークナイト ライジング』(12)でも同役を続投したほか、『インセプション』(10)、『ダンケルク』(17)にも出演してきた。そして満を持して主演を託された本作で、キャリア史上最高の演技と呼び声の高い熱演を魅せ、初のオスカーに輝いた。 文/山崎伸子