揺るぎなき定番「DENALI JACKET」と「HAPPY JACKET」「WILD THINGS(ワイルド シングス)」の名品アウター
ブランドの代表作となった「HAPPY JACKET(ハッピー ジャケット)」
WILD THINGSを語る上でもうひとつ重要なアイテムがある。それは「HAPPY JACKET」というアイテムだ。これに関しても引き続き伺っていきたい。 「アメリカ軍に納品していた“HAPPY SUITS”を元型にモディファイドし作られたアイテムです。HAPPY SUITSのお話からさせていただくと、極地まで対応するアメリカ軍のレイヤリングシステム『ECWCS(エクワックス)』のサプライヤーに認定され、最強の防寒性を誇るレベル7というアウターはWILD THINGSが主導し、開発したものになります。 HAPPY JACKETは現代版に置き換えられ作られています。日常使用を想定し、シルエットや中綿量を再調整し、軽く仕上げており、ハの字型のジップがデザインのポイントになっています。 基本デザインは、スタンドタイプの衿回りにはベルクロポケットでフードが収納可能になっており、表地は撥水加工が施されたナイロン素材で多少の雨は弾き、水洗いが可能なものになっています。中綿には先程DENALI JACKETでもご説明させていただきました、PRIMALOFT SILVER INSULATIONが採用されています」
次世代中綿が搭載された「COLD WEATHER PARKA」
ここまでWILD THINGSの代表的な2つのアウターを見てきたが、昨年ブランドには欠かせない存在となるようなアウター「COLD WEATHER PARKA(コールド ウェザー パーカー)」がリリースされた。 「このアイテムはアメリカ軍、特殊部隊で採用されているPCU LEVEL 7 JACKETというものを元型に作られたものです。ミリタリーの雰囲気はそのままに、シルエットや仕様をタウンユース向けに改良したモデルです。 たとえば仕様面では、収納型のフードで風の強い日も首元をしっかりガードし、表生地には耐久撥水加工を施したナイロン生地を使用したタフなディテールになっています。 そして中綿ですが、その暖かさからさまざまな製品に広く使われている『プリマロフト』というものがあるのですが、それに続く、次世代の中綿としてアメリカ軍でも採用されている『CLIMASHIELD COMBAT(クライマシールド コンバット)』を採用しています。過酷な環境での使用のために開発された中綿で収納性に優れ、耐久性があり、濡れても多湿な環境の中でも高い保温性をキープするという特徴があるものを搭載したアイテムになっています」
常に時代の先駆者だということが感じられる名作アウターたちのディテールや機能素材の数々を見ていると、冬のキャンプやレジャーはもちろん、WILD THINGSのアウターは都市生活にも快適をもたらしてくれるアイテムだということが分かる。 [1]メンブレン:3層素材などの、機能ナイロン素材の生地と生地の間に入る膜状の素材。水滴の浸入を防ぎつつ、水蒸気は外に排出してくれるという性能を持つ。
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